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SMTPの仕組みと特徴。SMTPリレーサービスのメリットとは?

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はじめに

メールはビジネスにおけるコミュニケーション手段として欠かせないものです。しかし、メールマガジンのような大量の一斉送信や、会員登録や購入確認などによく使われるトランザクションメール(システムから自動的に送信されるメール)の配信には、トラブルが付きものです。たとえば配信が遅延して相手に届くまでにタイムラグが生じたり、迷惑メールとして処理されてしまい相手に届かなかったりということが起こりえます。
こうした問題を回避し、迅速かつ確実にメールを送信するためのサービスが「SMTPリレーサービス」です。ここでは、SMTPの仕組みやSMTPリレーサービスを利用するメリットなどを解説していきます。

SMTPとは?

SMTPは、メール送信のスタンダードと言えるプロトコルです。まず、SMTPの概要や歴史、メールが届く仕組みなどを解説します。

SMTPの概要

SMTPとは「Simple Mail Transfer Protocol」の略称です。TCP/IP(※1)ネットワークにおけるメール送信プロトコルのスタンダードであり、現在送信されているメールの大半がSMTPを用いて送信されています。


※1 TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol): コンピュータネットワークにおいて標準的に利用されている通信規格のセット



メール送信における大きな2つの役割「デリバリー」と「トランスファー」のうち、SMTPはその名の通り「トランスファー」(転送)を担うプロトコルです。

郵便に例えて説明すると、メールは勝手に自宅のポスト(PCのメールボックス)に届くわけではなく、地元の郵便局(メールサーバー)の私書箱(自分のアドレス宛のメール保管場所)に届きます。郵便局から本人に郵便物を届けるのが「デリバリー」の機能にあたり、「POP3」といったプロトコルがその役割を果たします。

これに対し、投函された郵便物を、郵便局(送信側メールサーバー)が宛先の最寄りの郵便局(受信側メールサーバー)まで配達する行為に当たるのが「トランスファー」の機能です。SMTPはこの郵便局から郵便局へ転送する役割を果たしています。

このようにSMTPは「転送」が主な役割であり、名前の由来ともなっているわけです。

SMTPの歴史と成り立ち

SMTPの誕生は1970年代初頭まで遡ります。1971年にBBN(Bolt Beranek and Newman, Inc)のRay Tomlinsonが最初のメールシステムを開発しました。また、1979年にはEric AllmanがBSD Unix(OS)のコマンドとして「sendmail」を開発し、オープンソースプロジェクトによる保守/開発がスタートしました。

sendmailは現在でも使用されているメジャーなMTA(Mail Transfer Agent)であり、MTAは送信したメールを受け取り、宛先ごとに振り分け、転送するといったメールの送信機能を担うプログラムです。sendmailの普及を受け、1982年にはJonathan B. PostelによりSMTPが正式に策定されました。SMTPはRFC821(後にSTD10)として公開され、ARPAネット(※2)における標準メールプロトコルとなっていきます。その後、1994年にJ. KlensinなどによってESMTP(Extended SMTP)仕様が公開され、現在のSMTPの仕組みの土台が固まりました。このようにSMTPはメール送信用プロトコルとして実に40年近い歴史を誇っています。


※2 ARPANET(アーパネット/Advanced Research Projects Agency NETwork): 世界初のパケット通信コンピュータネットワーク。インターネットの起源。



メールが届く仕組みとSMTPの役割

概要でSMTPの役割は「トランスファー」(転送)であると説明しましたが、実際にメールを送信する流れを確認すると、下記の2つの役割を果たしていることがわかります。

 ⚫︎ メールクライアントから送信メールサーバーへメールをアップロードする

 ⚫︎ 送信メールサーバーから宛先のメールサーバーへメールを転送する

メール送信時の流れとしては、まずメールクライアント(メールソフト、メーラー)から送信メールサーバー(SMTPサーバー)にメールをアップロードする必要があります。メールクライアントは、ホスト名もしくはIPアドレスで送信に利用するサーバーを指定し、ポート番号によりそのサーバー上の特定のアプリケーション/サービスを指定します。

SMTPの標準ポートは25番ですが、近年はセキュリティの観点から25番ポートを使用せず、任意の代替ポート(サブミッションポート、587番や465番など)を使用することが増えています。

587番ポートは「Authenticated SMTP」(SMTP認証・SMTP-Authなどとも呼ぶ)に使用されるポートです。SMTPにはもともと認証機能などはなく、誰でも使えるオープン性が特徴でしたが、大量の迷惑メールが氾濫するようになったことで正当な送信者以外からはメールを送れないよう、認証機能を導入したのがこの方式です。

465番ポートはSMTPの通信をSSL/TLSで暗号化する「SMTPS」(SMTP over SSL)に使われていましたが、現在では暗号化は「STARTTLS」という方式が定着しており、あまり使われなくなっています。

メールクライアントからメールを受け取った送信メールサーバーは、宛先のメールアドレスからDNSに問い合わせることで配送先のメールサーバーの場所(IPアドレス)を調べ、メールを転送します。受信側のメールサーバーにメールが到着すると、受信者はPOP3やIMAP4などのプロトコルでメールを受信します。

以上がメールクライアントでメールを作成してから相手にメールが届くまでの流れと、SMTPの具体的な機能です。

SMTPリレーサービスとは?

SMTPリレーとは、SMTPの仕組みの中でも説明した通り、もともとはサーバー間でメールを転送することを意味します。サーバー間での通信のことなので、通常メールを送信するときには特段意識することはありませんが、世の中には「SMTPリレーサービス」というSMTPリレーを謳うサービスが存在しています。「SMTPメールリレーサービス」や「メールリレーサービス」とも呼ばれることもありますが、これらは一体どういった目的で使われるのでしょうか?

SMTPリレーサービスが必要になる理由

SMTPは仕組みがシンプルである反面、その「誰でも利用できる」特徴を悪用した迷惑メールが広まるようになりました。大量かつ無差別に送信される迷惑メールはインターネットにおける大きな問題であり、これまでにISPや携帯キャリアなどによって迷惑メールを防止するためのさまざまな対策が行われてきました。

例えば、「IPスロットリング」とも呼ばれる、一定時間内に送信できるメール量を制限し、超えた場合には一時的に受け入れを拒否するというような仕組みが取り入れられています。通常のメール送信であれば短時間に数百通といったメールを一斉に送信する事態は考えにくいため、スパマーによる迷惑行為であると捉えられブロックされてしまうのです。しかし、顧客向けのメールマガジンや、トランザクションメールと呼ばれるシステムから自動的に送信されるメールなど、正当な理由で大量のメールを一斉送信したい場合もこの制限に引っかかってしまうのです。

また、自社のメールサーバーより大量のメールを一括で送信し、受信側から迷惑メールと誤解されるようなことを繰り返すと、メール到達率の低下を引き起こします。それでも大量のメールを送信し続けると、レピュテーションの低下や、送信元のIPアドレスやドメインがブラックリストに登録されるといったリスクに繋がります。ブラックリストに登録されてしまうと解除に手間がかかる上、一度下がってしまったレピュテーションを回復するにも継続的な取り組みが必要となります。

こうした厳しい迷惑メール対策への対応や、運用の手間を低減させるために、メールの大量送信に特化した環境を介してメールを送るサービスが生まれました。SMTPのメールをサーバー間でリレーする機能を利用するため、「SMTPリレーサービス」と呼ばれているのです。

SMTPリレーサービスを利用するメリット

SMTPリレーサービスを用いることには、次のようなメリットがあります。

メール到達率改善

リレーサービスの提供元は、各種携帯キャリアやISPなどに届きやすくするための独自の配信アルゴリズムを持っています。そのため、メールリレーサービスを使うことによって、届きにくかったメールが届きやすくなります。購入完了の通知や成約に対するサンキューメールなどシステムから自動送信するような必す届かなければならない通知メールも、ECサイトとの連動・IPレピュテーションの不足・宛先不明によるバウンスといった問題を解決しつつ、不達や遅延を防ぎます。

低コストで大量のメールを高速配信

メールサーバーの処理能力以上の大量のメールを一括送信すると、メールサーバーが処理しきれずに送信の遅延につながるため、いくつものメールサーバーを並列稼働させる必要があります。しかし、メールサーバーの並列稼働はコストがかさむため、実際自社ですべてを賄うことは難しいでしょう。メール送信にかかるコストを少しでも小さくするならば、SMTPリレーサービスの活用がおすすめです。

IPレピュテーション管理が不要

大量かつ頻繁なメール送信は、「迷惑メール」として判定されやすくなります。さらに、迷惑メールと判定される回数が増えるごとにレピュテーションが低下し、あわせてメール到達率も低下するという「負のサイクル」の発生リスクがあります。こうした負のサイクルを防ぐには、レピュテーションのスコアを高く維持することが重要であり、運用リソースだけではなく専門的なナレッジやノウハウが必要になります。IPレピュテーションが高く保たれたメールサーバーからメールを送信できるSMTPリレーサービスならば、こうした労力が削減されます。

まとめ

ここでは、SMTPの概要や歴史、SMTPリレーのメリットなどを紹介してきました。SMTPリレーサービスである「ベアメール」は、メールサーバーの構築・運用だけでなく、IPレピュテーションの管理も任せることができるため、メールサーバーの運用にかかっていた人的コストも削減することができます。低コストにメール到達率の改善を進めたいのであれば、SMTPリレーサービスを検討してみてはいかがでしょうか。

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