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CASE STUDIES 導入事例

メールリレーサービス トランザクションメール

西日本旅客鉄道株式会社

「顧客体験の再構築」の一つとして、共通認証基盤にベアメールを導入
配信エラー率は0%台を維持し、安定したメール配信を実現

JR西日本
取材日:2023年9月25日

導入前の課題

  • 共通認証基盤ログイン時のワンタイムパスワードを配信するため、安定的に配信ができ、かつ実績のあるサービスを導入したいと考えていた。
  • 配信ログなどのお客さまに関する情報は、国内サーバでしっかり管理する必要があった。
  • システムに関する重要な問い合わせや課題に対し、柔軟なサポート体制を求めていた。

導入後の効果

  • メール配信数が当初想定よりも増加したなかで、配信エラー率は0%台を維持。安定したメール配信を実現できた。
  • データの保存が国内サーバに限られており、安心してサービスを利用することができた。
  • 予想外のトラブルに対しても、オンライン会議や対面など柔軟なサポートで迅速に解決することができた。
  • 課題に対して複数のソリューションを組み合わせた提案と、企業に寄り添った手厚いサポートを得られた。

customer's voice

ログイン時のワンタイムパスワードメールの配信基盤として導入。
安定的な配信ができ、実績のあるメール配信サービスが導入の条件

JR西日本
デジタルソリューション本部 システムマネジメント部 DX基盤運営 課長
杉田 隆良 氏

JR西日本さまの事業について教えてください。

杉田氏

鉄道事業を中心とする運輸業のほか、流通業や、駅の近くのショッピングセンターの運営、駅や線路の近くの土地を有効活用する不動産事業、ホテル事業や旅行業など、非常に幅広い事業を行っています。鉄道事業は、関西圏はもちろん、中国地方、北陸も管轄となります。

ご出席者の役割についてお聞かせください。

杉田氏

私は、デジタルソリューション本部 システムマネジメント部のDX基盤運営の課長として、全体をとりまとめる役割を担当しています。

2020年にデジタル戦略を策定し、「3つの再構築」として、1.顧客体験の再構築、2.鉄道システムの再構築、3.従業員体験の再構築の施策推進を掲げました。2023年春の「3つの再構築」実現に向けて、システム・DX基盤の改修を推進してきました。

岩政氏

私は、デジタルソリューション本部 システムマネジメント部 DX基盤運営に所属しています。杉田とともに今回のメールシステムの導入をはじめとしたシステム・DX基盤の改修を担当してきました。

ベアメールを導入された背景を教えてください。

岩政氏

当社が掲げている「顧客体験の再構築」を実現するために、サービスへのログインシステムの改善の一つとしてベアメールを導入しました。当社が提供しているあらゆるサービスのログインを共通認証基盤に集約することで、お客さまにとって利便性の高いサービスに再構築していく、そのプロジェクトの一環ですね。

JR西日本
デジタルソリューション本部 システムマネジメント部 DX基盤運営
岩政 翔大 氏

具体的には、どのようなメールを送信するためにベアメール メールリレーサービスを活用されているのでしょうか?

岩政氏

「WESTERサービス(https://wester.jr-odekake.net/service/about/ )」への初回ログイン時などに送られるワンタイムパスワードの配信基盤としてベアメールを活用しています。
WESTERサービスとは、 JR西日本グループが提供する様々なサービスを「WESTER ID」ひとつで利用でき、移動、旅行、ショッピングなど、暮らしの中でのさまざまなシーンで 「WESTER ポイント」がたまる、つかえるようにすることで、お客さまお一人おひとりの生活に寄り添うことを目指した会員サービスのことです。

このサービスにユーザがログインする際に共通認証基盤を用いますが、基盤として担保しなければならないことは、セキュリティの高さです。
そこでセキュリティの向上を図るために、WESTERサービスへのワンタイムパスワードの導入を決定しました。当然、ワンタイムパスワードのメールは、確実にお客さまへお届けする必要があります。もしワンタイムパスワードのメールが届かなければ、お客さまはWESTERサービスにログインすることができないため、とてつもなく大きな影響が出てしまいます。

ワンタイムパスワードメールを送信する仕組みを構築するにあたり、どのような基準でサービスを検討したのでしょうか?

岩政氏

料金体系など費用面も当然考慮しましたが、共通認証基盤として初めてサービスインすることもあり、何より安定的なメール配信が可能で、実績のあるクラウドサービスの導入が必要だと考えていました。

また、問い合わせ方法やサービス導入後のサポート体制も重視しました。万が一メール配信にトラブルが発生した際に、問い合わせ方法がメールのみなのか、それともオンライン会議や対面など柔軟な対応が可能かも、大事な判断材料でした。

ベアメール以外に比較検討されたサービスはありましたか?

岩政氏

海外製のクラウド型メール配信サービスや、マーケティング企業が提供するサービスなどと比較検討しました。
しかしながら、海外製のサービスは、会員のメールアドレスを含む情報が海外サーバに保存されてしまうことが最大の懸念点でした。当社としては、会員の情報は国内でしっかりと管理したいと考えていましたため、候補から外れました。

ベアメールのトライアルでの印象はいかがでしたでしょうか?

岩政氏

2022年4月からトライアルを開始し、検証を行いました。メールの配信ログがリアルタイムで出力されることや、配信エラーの発生状況が数値化できるため、エラー原因を追及しやすいことは大きなメリットでした。全体的に非常に使いやすいなと感じ、総じて好印象でしたね。

ベアメールを導入された決め手について教えてください。

岩政氏

トライアルでのメールの高い到達結果はもちろんですが、こちらからの問い合わせに対して、丁寧かつわかりやすく説明してくださった点はとてもありがたかったですね。

当社内でも、いくつかシミュレーションを行うなかで、サービス開始時はメールの送信数が多く、その後は徐々に減少すると想定していました。そのため、専用環境からスタートし、メールの配信数が落ち着いた段階で共用環境へ見直しを行うという前提で、利用を検討していました。
共用環境と専用環境のそれぞれのメリット・デメリットをわかりやすく説明していただきましたが、専用環境の利用にあたり、課題として挙がっていたのはIPレピュテーション* の問題でした。専用環境では本番配信に向けて、IPアドレスのレピュテーションスコアをあげるIPウォームアップ* を行う必要があったのですが、リンク担当者からの手厚いサポートのおかげで無事乗り切ることができました。

また、メールの配信ログなどの保存場所が国内サーバに限られているという点も、大きな安心材料となり、総合的に満足度が高かったことが導入の決め手となりました。


*IPレピュテーション:送信メールサーバのIPアドレスによって送信者を評価する仕組みのこと。特定のIPアドレスから送信されたメールの実績や利用状況から、レピュテーションスコアが算出される。
*IPウォームアップ:IPレピュテーションのスコアを高め、メールの受信制限や拒否(ブロック)を回避するための施策のこと。

customer's voice

特定のキャリア宛にメールが届かない!
原因特定に向けた調査や手厚いサポートのおかげで、迅速な問題解決が可能に。

JR西日本

共通認証基盤のサービス開始後、状況はいかがでしたでしょうか?

岩政氏

サービス開始の当日は、穏やかにスタートしました。ただ、全体の配信数に対し10%程度のエラー配信が確認されたため、原因の調査を行いました。
すると、特定のキャリアメール宛のみにエラーが発生していることが判明し、リンク担当者と対策を協議しました。

調査を進めますと、キャリア独自のメールフィルターの設定に原因があることを特定しました。そのキャリアメールのフィルターでは、迷惑メールの受信設定が「弱」であったとしても、一般のドメインから送られたメールがまったく受けとられないため、弊社からのメールも不達となっていたのです。原因判明後は、お客さま自身で解決していただけるよう、Webサイト内に受信方法を記載するなど、告知をすることによって収束に至りました。

協議を進めていく中で、リンク担当者から「お客さま導線をどうするか」などシステムに限らない視点からもアドバイスをいただき、問題解決に至るまで本当に親身に対応していただき、これからも安心してお任せできると感じました。

サービス開始から半年以上経ちますが、現在の状況を教えてください。

岩政氏

WESTER IDに多くの新規登録がされたため、メール配信数が当初の想定よりも多くなりました。嬉しい悲鳴ですね。導入前の想定では、メール配信数が落ち着いた段階で専用環境から共用環境へ見直しを行う予定でしたが、想定以上にメール配信数が増加したこともあり、すでにIPウォームアップが進んだ専用環境を引き続き利用することを決めました。

現在は、メール配信エラー率0%台を維持しています。当初の目標でもあった安定運用が実現できているという点で、ベアメールを利用して良かったと思っています。

ベアメールを検討中のお客さまにおすすめしたいポイントを教えてください。

岩政氏

一番評価しているのは、断トツでサポートの良さです。
もし我々が推奨したことで多くの企業からお問い合わせが殺到してしまったら、担当者のリソースが足らなくなるんじゃないか?と心配してしまうほどの徹底したサポート体制は、おすすめのポイントですね。

例えば、サービス開始時の対応策として、メールサーバを別途構築するという案があったのですが、社内でサーバ構築やDNS設定変更などの作業を行うには、時間がかかる点が懸念でした。その際、リンク担当者から「サーバ構築作業を引き取ります」との提案をいただいたのは非常にありがたかったですね。

問い合わせや相談にあたっても、メールだけではなくオンライン会議や対面での打ち合わせも快く対応いただけました。もし他社を利用していた場合は、トラブル時もメールでのやり取りに限定されていた可能性も高く、特定キャリアメールでの不達問題に対して、迅速な原因特定に至らなかったのではないかと思います。

また、ベアメールだけでなく幅広いソリューションを保有している点も強みだと感じています。「これはできません」「これはできます」といった1サービスにおける線引きではなく、当社が解決したい課題に対して複数のソリューションを組み合わせながらの提案と、企業に寄り添った手厚いサポートをしていただける点は、本当に素晴らしいと感じました。

実際に、バウンスメール* への対応策として、リンク ベアメタルクラウドで受信用のメールサーバを用意していただくなど、かなり柔軟に対応していただけました。


*バウンスメール:何らかの理由によりエラーとなってメールが送信できなかった場合に、サーバから送られる通知メールのこと。

JR西日本

今後、広げてみたいベアメールの活用法はありますか?

岩政氏

活用方法の一案としては、メールマガジンの配信ですね。
弊社の中期経営計画2025のデジタル戦略の中でも、「データ」「個客」起点で多様なサービスを生み出すことを打ち出しています。
そのためにも、今後は個々のお客さまに対して、一人ひとりのニーズに合わせた新しい価値提供をしていきたいと考えています。

ありがとうございました。最後に、今後の取り組みについて教えてください。

杉田氏

2025年度までにWESTER ID数800万突破を数値目標として掲げています。多様なサービスを生み出したうえで、24時間・365日、メールをはじめとするシステムを安定的に提供することがますます重要になります。

「心と未来を動かす“WESTER体験”」として、新たなサービス導入を検討しています。西日本という地域に根ざしたサービスとして、WESTER IDを基軸としたサービス展開・拡充を行っていきたいと考えています。

JR西日本ロゴ
企業名
西日本旅客鉄道株式会社
代表取締役
長谷川 一明
設立
1987年4月1日
本社所在地
大阪府大阪市北区芝田二丁目4番24号
事業内容
運輸業・流通業・不動産業・その他
URL
https://www.westjr.co.jp/