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2022.10.05 (水)
メールマーケティングHTMLメールとは? テキストメールとの違いや送信時の注意点を解説
Last Updated on 2023.06.2
メールの形式には2種類あり、文字だけで構成されるテキストメールと、文字やレイアウトのデザインや画像挿入などが可能なHTMLメールがあります。どちらの形式にもメリット・デメリットはありますが、メルマガなどの配信においては表現力の高いHTMLメールを採用するケースが多くなっています。本記事では、HTMLメールの特徴やテキストメールとの違い、HTMLメールを送信する際の注意点などについて詳しく解説します。
目次
HTMLメールとは
HTMLメールとは、Webページを作成する際に使用する言語であるHTMLによって記述したメールのことです。Webサイトのように文字のサイズや色の変更、動画や画像の挿入・レイアウトなどが可能で、幅広い表現ができることが特徴です。デザインによって視覚的な訴求力を高め、メールを読んだ人により具体的なイメージを伝える効果があります。またメール本文内に計測用のデータを埋め込むことで開封率を計測したり、ユーザが思わずクリックしたくなるようなボタンや画像などにURLリンクを設定したりすることも可能です。
テキストメールとの違い
テキストメールは文字のみで構成された一般的なメールのことを指し、HTMLメールが普及する前から使われている、初心者でも扱いやすい形式です。現在でもビジネスシーンではテキストメールが使われることが多く、主に個人間でのやり取り時に使用されています。デザインは文字と記号の入力や段落分け、飾り文字のみで行う必要があるため、HTMLと比較して表現の自由度は低いです。
HTMLメールのメリット
HTMLメールに期待されるメリットには以下のようなものがあります。
視覚的な訴求力を高められる
実際の商品や告知したい内容についての画像や動画を挿入できるため、より具体的なイメージを伝えられます。また豊かなデザインでレイアウトを整えられるため、読者に興味を持って読んでもらいやすくなるでしょう。HTMLを使用してCTA(Call To Action:行動を喚起させるボタンや画像)を工夫することで、誘導したいページへのリンクのクリック率や購買率の向上が期待できます。
自社ブランディングに効果的
自社のブランドを確立させるためには、視覚的デザインを伴う情報発信が有効です。定期的に配信するメルマガなどに自社のロゴやテーマカラーを挿入することにより、ブランドイメージが読者にインプットされやすく、認知度の向上やブランディングに効果的です。
開封率などの効果測定ができる
HTMLメールでは開封率やメール本文内リンクのクリック率などの効果測定ができます。これはメール内に画像を挿入できるというHTMLメールの特徴を利用した仕組みです。
HTMLメールを受信者が開封すると、メールクライアントはメールに挿入されている画像をダウンロードします。あらかじめ送信するHTMLメールにWebビーコンと呼ばれる計測用の画像を埋め込んでおき、これがダウンロードされた回数をサーバー側で計測することにより開封率を確認できるのです。
テキストメールでは画像を挿入できないため、上記の方法で開封率の測定を行うことは不可能です。メールマーケティングにおいて開封率やクリック率を測定することは、ユーザの興味関心を探ることや、今後の改善に活かすために非常に重要です。HTMLメールがメールマーケティングで活用される大きな理由の一つでしょう。
HTMLメールのデメリット
一方、HTMLメールのデメリットとしては以下のようなものがあげられます。
メール容量が大きくなりやすい
HTMLメールはテキストメールと比較してメールの容量が大きくなりやすいです。容量が大きいとそれだけサーバーに負荷がかかりやすく、表示速度が遅くなる可能性も考えられます。また容量が大きすぎることは、迷惑メールと判定されたり宛先に届かなくなったりする要因にもなるため注意が必要です。
作成には専門的な知識が必要
HTMLメールの作成にはある程度専門的な知識が必要になります。文字だけで構成されるテキストメールと比較すると、HTMLメールのほうがメール作成にかかる工数が増加しやすい傾向にあります。
メールが正しく表示されないことがある
HTMLメールが正しく表示されるかは、受信者側のデバイスやメールクライアントなどの環境に依存します。環境によってはCSSのプロパティなどをサポートしておらず、レイアウトが崩れることがあるため、可能な限りさまざまな環境を想定して検証することが望ましいです。
迷惑メールとして分類されることがある
HTMLメールはURLリンクの設置やプログラムの埋め込みをテキストメールよりも柔軟にできることから、かつては「HTMLメール=スパムメール=悪」といったイメージもありました。現在ではメルマガなどでHTMLメールが日常的に使われることも多くなり、そういったイメージも薄まりましたが、現在でもフィッシング詐欺などに悪用されていることも事実です。そのため受信側から警戒されやすく、正当なメールでもスパム判定されやすい傾向にあります。
メールによるなりすましやフィッシング詐欺などの被害が増加していることから、携帯キャリアやISP、メールプロパイダによる迷惑メールの判定基準は年々厳しくなっています。迷惑メールフォルダに分類されることを防ぐための対策内容については、次の章で解説します。
HTMLメール送信時に注意すべきポイント
送信したHTMLメールを確実に読者の受信トレイに配信するために、注意すべきポイントについて解説します。
マルチパート配信をする
受信者の環境やメールソフトの設定などによりHTMLメールを受信できないことがあります。あるいは受信設定でHTMLメールを拒否していることもあります。そのような環境の受信者がいることも考慮して、マルチパート配信を行うべきです。マルチパート配信とは、受信者の環境に応じて表示を分ける配信方法です。一つのメール内にテキスト形式とHTML形式の2つのパートを持たせることによって、HTMLメールを受信できないユーザは代わりにテキストメールを受信することができます。マルチパート配信を行うことで、HTMLメールのみを配信する場合よりも迷惑メールとして判定されにくくなります。
RFC5322およびHTML規格に準拠する
メールはInternet Format Standard(RFC 5322)に準拠する形式で作成する必要があります。HTMLメールの場合は、Apple・Mozilla・Operaの開発者らが設立したWHATWGという団体が定めた「HTML Living Standard」という標準規格に準拠することが推奨されています。これらの規格に準拠することで迷惑メール判定されるリスクを減らせるとGmailのヘルプにも記載があります。
参考: Gmailヘルプ「Gmail ユーザーへのメールがブロックされたり迷惑メール扱いされたりしないようにする」https://support.google.com/mail/answer/81126?hl=ja (2022/10/5 確認)
メール特有のHTML・CSS指定に気をつける
前述の通り、メールもHTML規格に準拠することをGmailは推奨していますが、一般的なWebサイトとHTMLメールでは実態的には事情がかなり異なっています。CSSのプロパティ(スタイルの指定)もメールクライアントによってはサポートされていないことが多々あります。全てのメールクライアントに配慮してコーディングすることはなかなか困難だと言えますが、HTMLメールの作成時に一般的に推奨されていることには以下のことが挙げられます。
・テーブルレイアウト(table要素)で作成し、article要素やsection要素などは使用しない
・divタグやpタグは極力使用しない
・見出しタグ(h1、h2など)も原則使用しない
・CSSはheadに埋め込むか、HTMLに直接記述するインライン形式を使用する
・HTML属性で指定できる場合は、CSSよりHTMLで指定する
・marginタグを使用しない
・フォントの一括指定プロパティは使用しない
・画像やWebページ、ファイルへのリンクなどは絶対パス(https://~)で指定する
・横幅は500〜600pxに設定する
メールクライアントごとのCSSプロパティのサポート状況について、詳しくは以下のサイトを参考にしてみてください。
参考:https://www.campaignmonitor.com/css/
HTMLやCSSでコンテンツを非表示にしない
HTMLメールではHTMLやCSSを使用してコンテンツを非表示にすることも可能です。Webサイトでは閲覧ブラウザに合わせて表示させるコンテンツを変えたり、時期によって一時的にコンテンツを非表示にさせたりするために使われます。しかしHTMLメールでは同様の方法でコンテンツを非表示にすると迷惑メールに分類される可能性があるため、行わないようにしましょう。
画像を多くしすぎない
スパムメールでは画像が多く使われる傾向があるため、画像の割合が多いメールは迷惑メール判定されやすい傾向にあります。スパムメールと誤判定されないため、HTMLメールで画像を用いる場合は画像とテキストの比率を適度に保つべきでしょう。具体的には画像40%:テキスト60%の割合が良いとされています。また、画像を多用しすぎると容量も大きくなってしまうため、容量の大きさが原因でメールが届かなくなってしまうケースも考えられます。
HTMLメールを確実に届けるために
HTMLメールは表現力の高さや開封率などの効果計測がしやすいといったメリットがあり、メール配信の効果を高めるために有効です。ただし注意すべきポイントを押さえないと迷惑メール判定されやすいというデメリットも存在します。迷惑メールによる詐欺被害が拡大している昨今、正常なメールなのに迷惑メールと判定されてしまうケースも増えています。きちんと注意点を確認して、読者に届く効果的なメール配信を行いましょう。
迷惑メールの巧妙化につれ、携帯キャリアやメールサービスプロバイダの迷惑メール対策も常に改善・強化されています。今は問題なく届いているメールも、フィルタリングの技術やポリシーが変更されることで届かなくなる可能性もあります。メール配信担当者は、自分が送信しているメールが問題なく届いているかパフォーマンスの傾向をウォッチし、異変がないかいち早く気づけるようにしておきたいものです。
「迷惑メールスコアリング」は、実際のメール配信の前に、テストメールを送信するだけでメールに問題がないか、メールが届くか診断できるサービスです。迷惑メールスコアリングでは、迷惑メールとして判定される可能性・その原因・国内キャリア(docomo・au・Softbank)や主流のメールサービス(Gmail・icloud・Hotmailなど)への到達率チェック・問題の改善策を確認することが可能です。
無償トライアルも可能ですので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせくださいませ。
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