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メールの到達率とは? 計算方法と目安、改善するためのポイント

メールの「到達率」とは、その名の通りメールが「到達」した割合のことです。メルマガなどの効果を測る指標としては、開封率やURLクリック率などに注目が集まりがちですが、そもそも送ったメールのうち宛先に届いているのはどの程度なのか把握できているでしょうか。
本記事では、メールの到達率とは何か、どのように計算するのか、そしてメールが到達しない理由と到達率の改善方法について解説します。

メールの到達率とは

まずは、メールの到達率の意味と、到達率の計算方法について解説します。

メールの到達率とは

メールの到達率とは、送信したメールのうちエラーにならず宛先のメールサーバーに受け入れられた割合を示す指標です。配信成功率=配信に失敗しなかった率ともいえます。

到達率とは「宛先のメールボックス(受信ボックス)に届いた割合」であるという定義も見かけますが、実は送信者側からこの割合を正確に把握することは困難です。なぜなら送信者側が把握できるのは、宛先のメールサーバーに受け入れられたかどうかまでであり、その先の個別の受信ボックスに配信されたかどうかまでは通常では知る術がないのです。

到達率とは

送信されたメールが受信者のメールボックスに届くまでには、さまざまなチェックを通過します。そもそも宛先のドメインやメールアドレスが存在していない場合や、何らかの理由で配信ができなかった場合はエラー通知が送信者に返ります。

受信側メールサーバーに受け入れられても、その先の受信者のメールボックスに配信される段階で迷惑メールフォルダに振り分けられてしまうこともあります。しかし、その場合は基本的に送信者にエラーなどを通知することはないので、送信者側からはメールボックスに届かなかったとしても知ることができないのです。

このように、到達率を見るだけでは知ることのできない限界がありますが、まずは「到達率」が何を表しているのか正しく理解してから、その先の「受信者のメールボックスに届ける」ということを考えましょう。

到達率の計算方法

メールの到達率は、先の図で見た通り、送信したメールのうちISPや携帯キャリア、メールプロバイダ(Gmailなどメールサービスを提供する事業者)などにブロックされたり、エラーになったりせず、宛先のメールサーバー(受信側メールサーバー)に正常にメールが受け入れられた割合を指します。

全体(1)からエラーメールになった割合を引いた数、100%からエラーメール率(バウンス率)を引いた割合で表せます。

● 到達率
1 – (エラーメール数 ÷ メール送信数) ×100
100 – エラーメール率

● エラーメール率(バウンス率)
エラーメール数 ÷ メール送信数 ×100

エラー(バウンス)の原因とバウンスメールについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
バウンスメールが発生する理由と対策方法 | ベアメールブログ

到達率の目安

到達率は全体からエラー率を引いたものであるため、理想的な到達率を保つためにはエラー率が目安を下回るようにすれば良いことになります。エラー率の目安としては、一般的に5〜3%以下と言われています。

エラー率を気にしていない、そもそも把握できていないという企業も多いかもしれませんが、エラー率が⾼い状態が継続すると送信元のIPアドレスやドメインがブラックリストに登録されてしまうことがあります。すると、今まで問題なく届いていたメールも届かなくなってしまい、より一層エラー率が高まってしまうという負のスパイラルになりかねません。まずは自社のエラー率を把握し、もし目安を上回っていた場合は到達率の改善に取り組むべきでしょう。

メールが届かない負のインパクト

新商品の紹介やイベントのリマインドなど、マーケティング戦略の一環としてメールを利用する場合、相手に届かなければそのままビジネスの機会損失に直結します。メールが届かないとマーケティング活動が阻害されてしまうだけでなく、会員登録や購入、申し込み内容の確認や商品発送のお知らせなどのメールが届かない場合は、取引が円滑に進まずトラブルに発展するケースも考えられます。メールは当たり前に届くものだと多くの人が考えている中で、メールが届かなければ企業やサービスのブランドイメージを損なうことにもなり得るでしょう。

到達率が低くなる原因とは

それでは、なぜメールが宛先に到達しないということが生じるのでしょうか。
送信したメールが宛先に届かない理由には、以下のようなことが考えられます。

宛先(送信リスト)に問題がある

メールが届かない原因で1番多いのは、そもそも送信したメールアドレスが無効であるということです。メールアドレスの登録間違い、あるいは退職などの理由でアドレスが存在しなくなった場合などが挙げられます。こうした無効なアドレスに送信し続けることは無駄なだけでなく、積み重なるとエラー率が高い送信者だとみなされ、スパマーだと警戒される要因にもなり得ます。また、長い間使われていないアドレスは、スパマーを炙り出すためのスパムトラップになっている場合もあり、スパムトラップにメールを送信してしまうとレピュテーションへの悪影響やブラックリストへの登録といったリスクがあります。定期的に無効なアドレスは送信リストから削除するように心がけましょう。

ISPからの評価(レピュテーション)が低い

ISPからの評価が低いことは、メール到達率に大きな影響を与えます。ISPはメールを受信する際に、そのメールの送信者が信頼できるのか送信元IPアドレスやドメインの評判や信頼性(レピュテーション)をチェックしています。レピュテーションは信頼性を評価するための指標として、これまでのメールの送信実績や受信者の行動、DNSの設定や認証などの情報を元にスコアとして算出しています。このレピュテーションスコアが低いと、ISPによってメール送信量の制限や拒否といったペナルティが与えられ、到達率が下がる原因となります。

ブラックリストに登録されている

メール送信元のIPアドレスやドメインがブラックリストに登録されてしまうと、メールの受信が拒否され、到達率が大幅に下がる原因となります。ブラックリストとは迷惑メールや不正なコンテンツを配信している事業者のIPアドレスやドメインを収集し、受信拒否すべき送信者リストとして共有しているサービスのことで、有名なものには「Spamhaus」や「SpamCop」といったものが挙げられます。前述したスパムトラップへのメール送信や、大量のメール送信、受信者に迷惑メールとして報告されることなどでブラックリストへ掲載されることがあります。

送信元の認証ができずブロックされている

DNSの設定不備により、迷惑メールとしてブロックされている可能性もあります。受信側メールサーバーは、悪質な「なりすましメール」を防ぐため、メールの送信元の正当性をDNSの仕組みを利用してチェックしています。送信に利用するドメインのAレコードやMXレコード、PTRレコードなどの設定に不備がある場合や、SPFやDKIMといった送信ドメイン認証の設定がされていないまたは不備がある場合、迷惑メールと判定されて到達率が落ちる可能性があります。

メールのコンテンツに問題がある

メールのサイズやフォーマット、内容に問題がある場合もあります。メールサイズが各キャリアの定める上限を超過している、メールフォーマットに不備があると受信拒否の原因となります。メールの内容についても、スパムメールでよく利用されるキーワードや煽り文句の多用などは迷惑メールと判断されやすくなります。また、メール本文内に悪質なサイトへ誘導するURLを記載している場合もブロックされる原因となり得ます。

到達率を改善する方法

最後に、メールの到達率を改善するためのポイントについて解説します。

1.送信ドメイン認証を行う

まず、SPFやDKIMといった送信ドメイン認証の設定を行うことが最も効果的だと言えます。特にSPFはDNSサーバーにSPFレコードを追加するだけで実装できるため、導入が非常に容易です。送信ドメイン認証が設定されていなかったり、不備があり認証が上手くいかなかったりすると迷惑メールと判定される原因となるので、正しく認証されるか必ず確認しましょう。

詳しくは以下の記事で解説しています。
SPFレコードの書き方とは?記述例を総まとめ | ベアメール

2.DNSの設定を正しく行う

送信ドメイン認証以外にも、DNSレコードはメール送信において重要な役割を果たしています。受信側メールサーバーは、メールを受信するとDNSの仕組みを使って送信元の認証を行います。送信元メールサーバーのAレコードと逆引き(PTRレコード)が設定されているか、送信に利用するドメインのAレコードとMXレコードが登録されているかなど、メールヘッダの情報を元に確認するため、DNSを正しく設定しておくことが重要です。

詳しくは以下の記事で解説しています。
迷惑メールに判定されないために注意したいDNS設定とは? Part2 | ベアメールブログ

3. IPレピュテーションを高める

ISPや通信キャリアからの配信制限や受信拒否を避けるためには、時間をかけて少しずつメールの送信量を増やし、送信実績を示すことでレピュテーションを高めることが重要です。このようなIPレピュテーションを向上させる作業のことをIPウォームアップと呼びます。

IPウォームアップの注意事項や方法については以下の記事で解説しています。
IPウォームアップとは? IPレピュテーションを向上させるためのポイントと具体的な手順 | ベアメールブログ

4.大量送信を避ける

1つのIPアドレスから大量のメールを一斉送信することは、迷惑メールの配信者であると判定されやすいため避けるようにしましょう。特にレピュテーションが低い場合は、すぐに配信制限やブロックを受けてしまいます。少量ずつ分割して送信するか、複数のIPアドレスから分散して送信する、あるいは大量配信に特化したメールリレーサービスなどを利用するのが良いでしょう。

5.送信リストをクリーニングする

無効なメールアドレスにメールを送り続けることは、エラー率やスパムトラップのリスクなどの観点から望ましくありません。定期的に無効なアドレスを洗い出し、送信リストをクリーニングすることが重要です。また、同意を得た相手にのみ送信することを徹底し、購入したアドレスリストに送信するようなことは絶対に避けましょう。同意を得ていない受信者へメールを送信すると、迷惑メールとして報告が上げられてしまう可能性があります。そうならないためにも、オプトイン(事前にメール送信の許可を得ること)のプロセスを経ることをお勧めします。

6.オプトアウトを記載する

メールには必ず受信者が購読を解除する方法を記載するようにしましょう。複数のメールアドレスへ配信する広告メールに受信拒否の意思を伝えるための方法や連絡先を表示することは、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」および「特定商取引法」において義務付けられています。オプトアウトの記載がないと法律違反になるだけでなく、ISPや通信キャリアに迷惑メール判定される原因となったり、メルマガを受け取りたくない受信者が迷惑メールとして報告してしまう原因となり得ます。

オプトアウトについて詳しくは、こちらの記事もご参照ください。
オプトアウトとは?メール配信を始める前に押さえておきたいオプトアウトの重要性 | ベアメールブログ

7.迷惑メールと判定されない内容を心がける

メールのサイズがISPや携帯キャリア、メールプロバイダが定める上限を超えていないか、メールのフォーマットがRFC5322やHTML企画に準拠しているか、またスパムと判定されかねない内容が含まれていないか気をつけるようにしましょう。内容については例えば以下のようなことがポイントです。

・詐欺や違法なビジネスに誘導するような内容を記載しない
・スパムメールでよく利用されるワードや煽り文句、飾り罫線など記号を多用しない
・悪質なサイトへ誘導するURLを記載しない
・本文中のURLに短縮URLサービスを使用しない

まとめ

メールの到達率は、メールマーケティングのすべての基礎となる重要な指標です。どんなにメールのコンテンツに工夫を凝らしても、メールが届かなければまったく意味がありません。メールを確実に送り届けるためには、さまざまなことに目を配る必要があります。

「ベアメール」は、メールを確実に届けることを支援するサービスです。携帯キャリアやメールプロバイダからのブロックを避けて、高い到達率でメールを配信する「メールリレーサービス」と、テストメールを送信するだけで迷惑メールと判定される問題がないか多角的な診断を受けられる「迷惑メールスコアリングサービス」を提供しています。

メールの到達率を改善したい方は、ぜひベアメールにご相談ください。