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メールは行動喚起や関係性構築に効果的 「メールが届かない!」で起こる売上損失&満足度低下を防ぐためにできること

現在、企業がユーザに対して情報を発信するコミュニケーション手段は、メール・LINE・Twitter・Facebook・Instagramなど多様化しています。その中でメールは時代遅れのツールと捉えられることもあるようです。ところが、最新のメールに関する意識調査では、他のメディアと比較してメールが行動喚起に効果的であることがうかがえました。メールの効果を最大化するためにはどうすべきなのか、メールに詳しい株式会社リンクの菱沼憲司が最新事情を解説します。

〈 調査概要〉
調査方法       :インターネット調査
調査主体       :株式会社リンク
調査期間       :2022年10月18日(火)- 2022年10月20日(木)
調査対象       :企業や店舗からのメッセージや情報をメールサービス(プラス他の方法も可)で受信している方
調査対象地域     :全国
回答数           :1,200

▼配信されたリリースはこちら

【2022年振返り】全国の男女1,200名を対象としたメールに関する意識調査 – LINK Watch!

1.SNSよりもメールがきっかけに

Q1.あなたのメディアに届いた企業や店舗からの情報やメッセージをきっかけに行動を起こしたことはありますか。それぞれ当てはまるものを幾つでもお知らせください。

Q2.あなたが、企業が独自に運営する通販サイト※から初めて商品やサービスを購入した際、購入後、企業からのメッセージでどのような情報を受け取りたいと思いますか。

―メールは時代遅れのツールという見方をされることもあるようですが、その一方でメールが活用されているのはどうしてなのでしょうか。

 メールはローコストで運用できるところが一番のメリットだと思います。コストをあまりかけることなくお客さまとつながることができる手段をわざわざ止める必要はありませんよね。若い世代を中心にSNSが広まっているとはいえ、メールが完全に必要なくなるにはまだ時間がかかるでしょう。今後もマーケティングや顧客とのコミュニケーションにおいてメールが重要であることは間違いありません。

―ここ数年、お客さまへのアプローチ方法としてLINEやTwitterといったSNSが注目を集めています。その一方で、今回の調査からメールが依然として高い割合でお客さまの行動喚起に影響を与えていることが分かりました。菱沼さんはこの結果をどのようにご覧になりましたか。

 私はメールマーケティングの専門家ではありませんが、仕事柄「ベアメール」を活用していただいているEC事業者やマーケティングの専門家にお話をうかがう機会があります。その中で皆さんが意識されているのが、メールとSNSの特性の違いです。SNSは多くのユーザに一度に情報を届ける広告的な使い方がメインになるのに対して、一人一人のユーザに対するダイレクトメッセージであるメールは、それぞれのお客さまに合わせた内容を送ることができるというのが大きな違いだと思います。

 あとはメールの使い勝手の良さもポイントです。SNSは基本的に新しい情報がどんどん表示されるので、ストック性が低いのが難点です。その点メールはメールボックスにストックされ、検索性も高いので簡単に過去の履歴を遡ることができますし、お気に入りフォルダに保管しておくといった使い方もできます。メールがSNSよりもお客さまの行動喚起に影響を与えているのはこの2つが大きいと思います。

2.実は意外と届いていないメール

Q8.登録確認、申し込み確認など、企業や店舗から送られてくるべきメールが届かなかった経験はありますか。その後解決できたかどうかは問いません。

Q12.自ら登録した覚えがある企業や店舗からのメールが迷惑メールボックスに入っていた経験はありますか。(Q11.で普段迷惑メールボックスを「頻繁に確認する」、「たまに確認する」、「ほとんど確認しない」と回答した1020名/単一回答)

―届いて当たり前だと考えられるメールですが、今回の調査では約3割の人が「送られてくるべき重要なメールが届かなかった経験がある」と回答しています。さらに6割以上の人が「企業からのメールが迷惑メールフォルダに入っていた経験がある」と回答しています。届かないメールがあるということに驚きましたが、この原因はどこにあるのでしょうか。

 メールは手軽で身近なツールであるが故に、メールを悪用したフィッシング詐欺のような犯罪も増えています。そうした迷惑メールが横行すると、メールサービスを運営する事業者や携帯電話会社はセキュリティを強化せざるを得ません。どのメールサービスも半年に1回くらいの割合でセキュリティを強化するので、これまで届いていたメールもブロックされてしまったり、迷惑メールフォルダに入ってしまうケースが増えています。迷惑メールフォルダに入ってしまったメールは意識的に確認しにいかなければ気付けないですし、携帯会社によっては迷惑メールフォルダもなく、ユーザのデバイスからは確認できないようにしている場合もあります。

 フィッシング詐欺などの被害をなくすためにセキュリティは強化されるべきですが、そのためにお客さまにとって必要なメールまで誤検知され、迷惑メール扱いされている状況について企業はまず認識し、対応していく必要があると思います。

―迷惑メールと誤検知されてしまうのは、どういうところが問題なのでしょうか。

 メールをきちんと届けるためにはシステム面を含め、いろいろなことに注意する必要があります。

 システム面の一例としては、メールには「エンベロープ(=封筒)From」といって、「私はこういうものです」という差出人の情報が書かれています。そのエンベロープFromで使っているドメイン、例えば私たち株式会社リンクであれば「@link.co.jpは、このIPアドレスからメールを送ります」ということを明確に示す必要があります。この決まりごとを守っていないと、差出人が確認できず迷惑メールと判定されてしまいます。郵便でも差出人が書いていない手紙が急にポストに入っていたら怪しいと思って読まずに捨てますよね。それと同じことです。

 実際に、ECサイトを作るときに開発会社へ「会員登録のフォームに完了メールを自動返信する機能をつけてほしい」とお願いしたものの、メールを届けるために必要な各種設定がされておらず、会員登録しても完了メールがお客さまに届いていなかった。そのことに全く気がつかず、お客さまからクレームが来て初めてシステムに問題があることが分かったというようなことが意外とよくあります。

また、メール本文のコンテンツにも注意は必要です。フィッシング詐欺やスパムメールでよく使われる単語が入っていたり、リンクしたURLが実はブラックリストに載っているWebサイトだったりすると、迷惑メールとして判定される確率が上がってしまいます。

 迷惑メール対策技術は年々進歩して厳しくなっていますし、自社のメールは問題ないと思っていても実は発覚していないだけという可能性も高いです。メルマガを送る事業者さんは開封率をすごく意識していますが、その前段となる到達率も意識してみてほしいです。開封率が低いからメールの文面を変えたり、送信時間を変えてみたりと、いろいろ工夫をしたけど全く改善されない。そこで調べてみたらそもそもメールが届いてなかったというケースがよくあります。メールは意外と届かないことがあるということ、そしてメールを届けるためにはさまざまな点に注意する必要があるということをまずは知ってほしいですね。

3.届いて当たり前だからこそ、届かないことがマイナスに

Q10.企業や店舗から送られてくるべきメールが届かなかったことで、その企業や店舗に以下のような気持ちを持つことはありましたか

―必要なメールが届かないことに対して「その企業の商品やサービスを利用することを諦める」、「興味や関心がなくなる」という回答が4割を超えています。メールが届かないことで事業者にはどんなデメリットがあるのでしょうか。

 メールが届かないことで発生する問題は大きく二つあります。一つは売り上げ自体が下がることです。ECサイトの場合、メールは販売促進の手段として大きなウェイトを占めています。商品をアピールするメルマガを送っても、メルマガが届いていなければ当然販売数が伸びず、売上は下がってしまいます。もう一つは顧客満足度です。例えば商品を購入したのに完了メールが届かなければ、ちゃんと購入できたのか不安になりますよね。実際に調査結果からも、機会損失だけでなく企業やサービスに対するイメージに悪影響があることが分かります。以前ECの専門家である中島さまからも、メールが届かないという問題とその影響についてお話をうかがいましたが、 今回の調査でそれがはっきりと裏付けられたと思います。ECサイトや提供しているサービスのブランディングという面でも、必要なメールが確実に届くようにすることが重要です。

ECサイトのプロフェッショナルに聞いた|メールなんてもう古いは、大間違い。成功するECサイトのメール活用術とは – LINK Watch!

―メールを確実に届けるためにはどうしたらいいのでしょうか。

 やはり日頃から自分たちが作ったメールが宛先のメールサーバに届いているのかどうか、迷惑メールフォルダに振り分けられず実際に受信箱にちゃんと入っているのかチェックすることが大切です。

 メールを送信するとメールログという形で記録が残り、メールが届かない原因も記載されています。ですが、自社のECやWebサービスの場合はメール送信サーバにログを取りに行く必要があり、手間がかかるので対応できないという課題をよくうかがいます。また、メール配信サービスを活用されている場合は、サービスによってはメールログを見ることができないこともあります。
 リンクで提供している「ベアメール メールリレーサービス」は、管理画面から誰でも簡単にメールログをチェックできるようになっています。もしお客さまから「メールが届かない」というお問い合わせがあった場合にも、カスタマーサポートの方でも簡単にエラーの有無やその原因について確認できるので、その場ですぐに回答することができますし、その後の対応もスムーズになります。メールリレーサービスは高い到達率で配信することができるので、そもそも届かないこと自体があまり発生しなくなったとの声を多くいただいていますが、万が一それでも届かない場合は調査のお手伝いやナレッジの共有などをさせていただいています。

 また、先ほどメール本文内の単語や貼り付けたURLで迷惑メールと誤検知されてしまうという話をしましたが、これを防ぐために「迷惑メールスコアリング」というサービスも提供しています。テストメールを送るだけで自動的にさまざまな観点からチェックを受けられ、迷惑メールとして誤検知されるような問題がないか診断できます。
 みなさん、メールの文面は社内でいろいろな人がチェックしていると思います。でも、そのメールがちゃんとお客さまに届くかというテストまではしていないのではないでしょうか。迷惑メールスコアリングは、自社の送信しているメールがきちんと届いているのか、まず現状を把握するためにも有効だと思います。

 誰もが届いて当たり前と思っているメールだからこそ、届かないことは大きなイメージダウンにつながることが今回の調査ではっきりと分かりました。今後もセキュリティが強化されていくことは間違いありません。メールが有効なツールである以上、確実にメールを届けるためには多少のコストをかけても対応していく必要があるのではないでしょうか。メールの何割かは届かないものと諦めるのではなく、ぜひ我々のようなサービスを活用して、届かないメールを届くメールに変えてほしいと思います。