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2026.03.10 (火)
SMTPポート番号の基礎知識|25・587・465・2525の違いと正しい選び方
最終更新日:2026.03.10
SMTP通信によるメール送受信において、ポートは重要な役割を担っています。ポート番号の設定を誤ると、メールが送信できない、暗号化されずに通信してしまうなど、送信トラブルやセキュリティリスクにつながる恐れがあります。
本記事では、SMTPポート番号の基本から、主要なポート番号(25・587・465・2525)の種類、用途に応じた選び方まで、わかりやすく解説します。
目次
SMTPポート番号とは?
まずは、SMTPポート番号の基本的な役割と、2種類のポート(転送用ポートとサブミッションポート)の違いについて解説します。
メール送信におけるポート番号の役割
SMTPポート番号は、SMTP通信で使用されるポート(通信の窓口)を識別するための番号です。例えるなら、「建物の住所(IPアドレス)」に加えて「どの窓口に用件を届けるか」を示す番号だと考えるとわかりやすいでしょう。コンピューターやメールサーバーは、送信先のIPアドレスとあわせてポート番号を指定し、SMTPサービスへ接続します。
もしポート番号が間違っていると、SMTPサーバーに接続できずメールが送信できなかったり、暗号化されない通信になってしまったりする可能性があります。メールを安全かつ確実に届けるためには、用途に合ったポート番号を正しく選ぶことが重要です。
転送用ポートとサブミッションポートの違い
SMTPで利用されるポート番号は、用途に応じて大きく2種類に分けられます。一つはサーバー間でメールを転送するための「転送用ポート」、もう一つはメールソフトや送信システムからメールを送信するための「サブミッションポート」です。

転送用ポートの代表がポート25です。ポート25は、送信元のメールサーバーから宛先のメールサーバーへメールをリレー(転送)する際に利用され、インターネット上のメール配送を支える基本的な仕組みとして使われています。
一方で、迷惑メール対策の強化に伴い、Outlookなどのメールクライアントでメールを送信する際には、専用のサブミッションポートを利用することが推奨されるようになりました。これに該当するのが、ポート587とポート465です。サブミッションポートは、送信者の認証(SMTP認証)や通信の暗号化を前提としており、不正利用を防ぎ、安全にメールを送信するために重要な役割を果たしています。
このように、転送用ポートとサブミッションポートを用途ごとに使い分けることで、より信頼性の高いメール送信環境が実現されています。
主要なSMTPポート番号とその特徴
メール送信に使われるSMTPポート番号にはいくつかの種類があり、それぞれ用途や推奨される利用シーンが異なります。
ここでは、代表的なSMTPポート番号である25番、465番、587番と、代替として利用されることがある2525番について、それぞれの特徴を解説します。これらの違いを理解することが、適切なポート選択の第一歩です。
以下の表は、主要なSMTPポート番号の用途と特徴をまとめたものです。
ポート番号 一般的な名称 暗号化方式 主な用途 推奨される利用シーン 25 SMTP STARTTLSが一般的(相手側の対応により平文通信となる場合もある) メールサーバー間転送(Transfer) サーバー間通信が中心 587 SMTP Submission STARTTLS (暗号化推奨) メールクライアントからの送信(Submission) 一般的に最も推奨されるサブミッションポート 465 SMTPS (Implicit TLS) TLS (最初から暗号化) メールクライアントからの暗号化された送信(Submission) 暗号化を前提とする環境で利用されることがある 2525 代替SMTP STARTTLS (提供元による) ポート587の代替 ISP制限回避や一部サービスで利用 ※標準ポートではないため、サービス提供元が対応しているか確認が必要
ポート25(転送用ポート)
ポート25は、SMTPプロトコルが誕生した当初から利用されているSMTPの標準ポートです。主な役割は、メールサーバーから別のメールサーバーへメールを転送(Transfer)することであり、インターネット上でのメール配送を担う基本ポートとして利用されています。
SMTPは初期のインターネット環境を前提に設計されたプロトコルであり、当初は暗号化や送信者認証を必須とする仕様ではありませんでした。しかし、迷惑メールの増加や不正中継の問題を背景として、クライアントからのメール送信(Submission)とサーバー間転送(Transfer)を分離する動きが進みました。
2006年にはRFC 4409でポート587がメールクライアント向けのサブミッション用ポートとして明確に定義されました。また同時期に、多くのISPが迷惑メール対策として「OP25B(Outbound Port 25 Blocking)」を導入し、ISPのネットワークから外部の25番ポートへの接続を制限するようになりました。
こうした経緯から、現在ではポート25は主にメールサーバー間の転送に用いられ、メールクライアントからのサブミッション用途としては一般的に利用されていません。
OP25Bについては、以下の記事で詳しく解説しています。
メール送信規制「OP25B」とは? 25番ポートブロックの概要と回避策|ベアメールブログ
ポート587(サブミッションポート)
ポート587は、メールクライアントからメールサーバーへメールを送信する(Submission)するためのポートとして、RFC 4409(後にRFC 6409へ更新)で定義されたSMTPポート番号です。
このポートでは、SMTP認証(SMTP-AUTH)を必須とすることが一般的です。これにより、認証されたユーザのみがメールを送信できるようになるため、未認証の第三者による不正な中継(オープンリレー)のリスクを大幅に低減できます。
また、587番ポートではSTARTTLSを利用して通信を暗号化することができます。接続後、サーバーがSTARTTLSに対応している場合、クライアントが暗号化を要求することで、TLSによる暗号化通信に切り替わります。
現在では、多くのメールサービスがクライアント向け送信ポートとして587番を提供しており、特別な指定がない限り、メールクライアントの設定では587番ポートを利用するのが一般的です。
STARTTLSとSMTP-AUTHについては、以下の記事でそれぞれ詳しく解説しています。
STARTTLLSとは? メールのTLS暗号化の仕組みから設定・確認方法|ベアメールブログ
SMTP-AUTHとは? SMTP認証の仕組みやセキュリティを高めるための注意点|ベアメールブログ
ポート465(暗号化されたサブミッションポート)
ポート465は、メールクライアントからメールサーバーへメールを送信(Submission)するためのポートとして、RFC 8314で「submissions」として再定義されたSMTPポート番号です。IANAにも登録されており、現在では587番と並ぶサブミッション用途のポートとして利用されています。
このポートでは、接続直後からTLSによる暗号化が開始されます。STARTTLSのように平文通信から切り替える方式ではなく、最初から暗号化が必須となる方式であり、これを「Implicit TLS」と呼びます。
ポート465は、かつて「SMTPS」として暫定的に利用されていた経緯があり、その後IANA登録が一度取り消された時期もありました。しかし実運用では広く利用が続き、最終的にRFC 8314によってサブミッション用途のポートとして再整理されました。
現在では、接続開始時点から暗号化を必須としたい環境で利用されることがあります。
ポート2525(代替ポート)
ポート2525は、標準的なSMTPポート番号ではありませんが、一部のホスティングプロバイダやメールサービスにおいて、ポート25やポート587が利用できない場合の代替ポートとして提供されることがあります。例えば、ネットワーク環境やファイアウォールの制限によって標準ポートがブロックされている場合に、有効な選択肢となることがあります。
ただし、実際に利用できるかどうかは、サービス提供元のサーバーがこのポートでSMTP通信を受け付けているかに依存します。そのため、利用者が任意にポート2525を選択できるわけではありません。
代表的な利用例としては、メール配信サービスがOP25Bなどのネットワーク制限を回避するために、ポート2525を代替手段として提供しているケースが挙げられます。
SMTPポート番号の選び方
ここまで主要なSMTPポート番号の特徴を見てきましたが、実際にどのポートを選ぶべきかは、利用するメールサービスやネットワーク環境によって異なります。
基本的には、メールクライアントから送信する場合はサブミッションポート(587または465)を利用するのが一般的です。一方、ポート25は主にメールサーバー間の転送(リレー)に用いられるため、クライアント設定で選ぶケースはほとんどありません。
ここでは、適切なSMTPポート番号を選ぶための指針を整理します。
SMTPポート番号を選ぶ際の指針
観点 推奨される対応 関連するポート番号 プロバイダの推奨 利用するメールサービスプロバイダの公式ドキュメントや設定ガイドに従う 587, 465, (場合により2525) セキュリティ 常に暗号化(STARTTLSまたはTLS)を利用し、SMTP認証を有効にする 587 (STARTTLS), 465 (Imlpicit TLS) OP25B環境下 OP25Bの環境下ではメールサーバー間転送でも外部25番ポートに接続できないため、代替ポートで接続が可能なメールリレーサービスなどを利用する 587, 465(場合により2525) ファイアウォール制限 企業内ネットワークなどでは、利用可能なポートが制限されている場合があるため管理者に確認する 全般 代替手段(例外) 標準ポートが使えない場合に限り、提供元が用意する代替ポートを検討する 2525(提供元依存)
利用するメールサービスが推奨するポート番号を選ぶ
SMTPポート番号を選ぶ際に最も重要なのは、利用しているメールサービス提供元が案内している推奨設定に従うことです。
各プロバイダは、メールサーバーに接続するための推奨ポート番号や暗号化方式(SSL/TLS、STARTTLS)、認証方式などを公式ドキュメントやサポートページで明示しています。提供元の指示に従うことで、メールの送信トラブルを未然に防ぎ、適切なセキュリティレベルを確保できます。
自己判断で設定を変更する前に、必ず最新の公式情報を確認する習慣をつけましょう。不明な点があれば、サポート窓口に問い合わせるのが確実です。
使用環境に合わせたポート番号を選ぶ
SMTPポート番号の選択は、メールを利用するネットワーク環境にも左右されます。例えば企業の社内ネットワークでは、セキュリティポリシーに基づいて特定のポートへの通信がファイアウォールで制限されている場合があります。この場合、情報システム部門に確認し、許可されたポートを使用する必要があります。
自宅のインターネット環境であっても、契約しているISPがOP25Bを実施している場合は、メールクライアントからポート25を使ってISP外部のメールサーバーに接続することはできません。そのため、メール送信にはサブミッションポートであるポート587やポート465を利用するのが一般的です。
また、SMTPサーバーを構築してメール送信を行うケースであっても、契約しているISPやホスティング・IaaSなどのプロバイダーがOP25Bを実施している場合、外部メールサーバーの25番ポートに接続ができないため、そのままではメール送信ができません。IaaSのプロバイダーであれば申請することでOP25Bを解除してもらえるケースもありますが、ポート587やポート2525などを利用して送信ができるメールリレーサービスを活用するという方法も考えられます。
ベアメール メールリレーサービスも、587番ポートとSMTP AUTHを使用して接続する「メール中継オプション」の利用により、OP25B規制を回避したメール送信が可能です。
メールリレーサービスはメール送信に特化したサービスのため、IPレピュテーションや送信スピード、SMTPサーバーの運用など、OP25B以外のメール送信に関する課題も併せて解決することができます。
より安心で効果的なメール配信環境をご検討の際は、ぜひサービス詳細もご覧ください。
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まとめ
この記事では、SMTPポート番号の基本的な役割から、主要なポート番号である25番、465番、587番、2525番それぞれの特徴、そして状況に応じた適切な選び方について解説しました。
SMTPポート番号を正しく設定することは、安定したメール配信環境を整えるための重要な第一歩です。本記事の内容を、設定の参考にしてみてください。
なお、「メルマガなど大量のメールを遅滞なく届けたい」「重要なメールをブロックや迷惑メール判定を避けて確実に届けたい」といった課題をお持ちであれば、専門のメールリレーサービスを活用するのも有効な選択肢です。