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2021.07.28 (水)
メールマーケティングメールの「開封率」よりも大切な指標とは? メールマーケティングの効果改善の秘策
メールマーケティングにおいて、メールの「開封率」はマーケティング担当者ならば誰もが気になる指標ではないでしょうか。しかし、メールマーケティングの効果を改善するためには、開封率だけでなく、より俯瞰的な視点での対策も検討したいところです。ここでは、メールマーケティングにおける重要指標やそれぞれの改善策について解説していきます。
Last Updated on 2024.08.5
目次
メールマーケティングの6つの効果測定指標
まず、メールマーケティングの効果測定でよく使われる6つの指標を整理していきましょう。
到達率
到達率とは、送信数のうちISPやメールプロバイダにブロックされたりせず、送信先のメールサーバに正常にメールが届いた割合を指します。
「有効配信率」とも呼ばれ、「(1-(エラーメール数÷メール送信数))×100」で求められます。後述のエラーメール率(バウンス率)を全体から引いた割合でも表せます。
「メールの不達はそうそう起こらないのでは?」という意見もありますが、実はすべてのメールを確実に到達させるのは至難の業です。なぜなら、スパム・迷惑メールが大量に送信されている中、ISPやメールプロバイダは迷惑メール対策を強化しており、問題がないはずのメールも届かないということは頻繁に発生しています。そしてその迷惑メールと判定するメールフィルターの条件も、各社異なるからです。
メールマーケティングは「正常に到達していること」を前提とするため、見落としがちですが注力すべき指標のひとつだと言えます。
エラーメール率(バウンス率)
到達率と表裏一体の指標ですが、送信したメールのうち、正常に受信者へ届かなかったメールの割合を表す指標です。
「エラーメール数(バウンスメール数)÷メール送信数×100」で求められます。
バウンス率は一般的に平均5〜10%程度あると言われており、メルマガを送信しても実は10%近くがそもそも相手に届いてすらいない可能性があるのです。また、エラーとなり送信できない宛先にメールを送り続けることは、IPアドレス・送信ドメインがブラックリストに登録されたり、IPレピュテーションが低下する原因ともなります。
到達率と密接に関わる指標としてバウンス率はしっかりと注視し、エラーメールの確認と定期的なリストクリーニング(エラーとなった宛先を送信リストから削除すること)をおすすめします。
開封率
正常に受信フォルダに到達したメールのうち、実際に受信者がメールを開封した割合を表す指標で「開封数÷到達数(有効配信数)×100」で求められます。
開封率の目安は、業界や配信対象のユーザとの関係性によって変わりますが、一般的には15〜20%の間に収まると言われています。業界ごとの開封率の平均値はさまざまな企業が調査をしているので、自社の業界だとどの程度を目指すべきなのかは確認してみると良いでしょう。詳しくは後述の「効果測定指標の目標値について」で紹介します。
クリック率(CTR)
メール本文に広告やWebサイトへのURLなどを挿入していた場合、そのURLがクリックされた割合を指します。「クリック数÷到達数(有効配信数)×100」で求めることが可能です。
メールの中身(コンテンツの内容・導線設計など)を評価するための指標として、重視されることが多いでしょう。メールマーケティングにおけるコンバージョン率にも深く関わるため、とくに気にかける担当者も多いのではないでしょうか。
コンバージョン率(CVR)
そのメールを送ることで最終的に受信者に達成してほしいこと(購入・申し込み・問い合わせなど)に対し、実際にそのアクションにつながった割合のことで、「コンバージョン数÷到達数(有効配信数)×100」で算出できます。
BtoBの商材など、購入・契約までの検討期間が長いものの場合は、メルマガから成約に至ったかまでを追うことはなかなか難しいかもしれません。その場合はもう少し手前の段階の「問い合わせ」や「アポイント」などをコンバージョンとしてカウントすると良いでしょう。
解約率(オプトアウト率)
メール購読の解除(解約)が行われた割合を表します。「解約数÷メール送信数×100」で求められます。
急激な解約率の上昇が確認された場合は、受信者が不快と感じるようなメールとなっていないか、メールの内容や配信頻度を見直す必要があるでしょう。
効果測定指標の目標値について
以下に一般的にメールマーケティングを行う上で目安とされている目標値をまとめました。業界や配信対象のユーザとの関係性によって異なりますが、大体以下の数値を目安に、自社のメールマーケティングの成果はどうか確認してみてください。
業界ごとの開封率は、メールマーケティングに関わるさまざまな企業が調査を行っており、ここでは調査結果を公開しているサイトをいくつか紹介します。
業種の分け方や対象とするユーザなど、諸条件も調査する会社や方法によって異なっており、各指標の数値にもバラツキがあることを注意した上で参考にしてみてください。
指標 目標値 到達率 90%以上 エラーメール率(バウンス率) 10%以下 開封率 15〜30% クリック率(CTR) 1.5%以上 コンバージョン率(CVR) 目的による 解約率(オプトアウト率) 0.25%以下
・Benchmark Email社による調査
Benchmarkk「業種別・地域別(国別)平均メール開封率レポート【2020年版】」https://www.benchmarkemail.com/jp/email-marketing-benchmarks/(2021/07/28確認)
・Mailchimp社による調査
Mailchimp「業界別のMailchimp顧客の平均Eメールマーケティングキャンペーン統計」https://mailchimp.com/resources/email-marketing-benchmarks/(2021/07/28確認)
・Constant Contact社による調査
Constant Contact「2021年5月現在の電子メールの平均業界レート」https://knowledgebase.constantcontact.com/articles/KnowledgeBase/5409-average-industry-rates?lang=en_US(2021/07/28確認)
「開封率」「クリック率」を上げるための施策
以上で見てきた6つの指標のうち、とくに重視されることが多いのが「開封率」と「クリック率」でしょう。この2つの数値を改善するためには、次のような対策が有効だと考えられています。
件名の工夫
件名は、とくに開封率に大きな影響を与えます。メールの件名(タイトル)は、どのメーラーでもほぼ確実に表示される領域で、いわば「メールの顔」です。開封率をあげるには、メールの内容で最も訴求につなげたい部分がうまく要約されており、なおかつ興味・関心を喚起するようなキャッチコピーが含まれている必要があります。
顧客のニーズやインサイトに即した内容
クリック率やコンバージョン率を改善したいのであれば、メール本文の内容を注視すべきでしょう。「送信先ユーザのペルソナ・ニーズ分析」や「インサイトの発掘」を考慮した内容であったり、URL部分への導線がスムーズで、URLがクリックしやすく強調されていたりするとクリック率が改善するでしょう。
緊急、希少などの訴求
「今だけ」「○時まで」「○人限定」など期間や人数を限定し、緊急性や希少性をアピールすることでも開封率・クリック率の上昇につながります。ただし、訴求の頻度が高すぎると逆効果になり受信者へ不快感を与えることもあるため、タイミングや頻度を入念に計画する必要があります。
開封率やクリック率が上がらない…何をすべきか?
開封率やクリック率は、なかなか思うようにコントロールしにくい指標です。何よりもメールが正常に届いていないことには、どのような施策も効果が薄れてしまいます。そこで、以下のような施策を検討してみてください。
開封やクリックの「率」から離れてみる
開封率やクリック率は確かに重要な指標です。しかし、メールマーケティングにおいてメールを送る真の目的は「一人でも多くのユーザ・顧客にメールを見てもらうこと」ではないでしょうか。つまり、開封やクリックの「絶対数」を上げることです。
そのためには、開封・クリックの「割合」ではなく、開封やクリックの「数」が増えていくような施策を検討してみてはいかがでしょうか。
まずは「到達」していることが最重要
では、開封やクリックの「数(絶対数)」を底上げするためには何をすべきなのでしょうか。さまざまな考え方がありますが、最も確実に効果が期待できるのは「到達率」を改善することです。メールの到達率を底上げすることで、開封やクリックに至る可能性は確実に上昇します。
また、到達率が上昇すれば、たとえ開封率やクリック率は同じであっても「顧客が見た(開いた)メールの絶対数」は増えていきます。したがって、長期的な視点からはメール到達率の改善がとても大切なのです。
高い到達率を維持するためには複数の施策が欠かせません。ISP・キャリア・通信方法の組合せなどによってメールの経路が複雑になりがちな現代は、個々の迷惑メールフィルターやブラックリストなども考慮しながら、メール到達率の改善に取り組む必要があります。
すべての土台となるメール到達率の改善方法とは?
メール到達率の改善方法としては、以下3つの施策が有効です。
メールアドレスの信頼性を上げる
メール送信に使用しているドメイン・IPアドレスの「身元」をはっきりさせ、「信頼性」を上げていくことで、迷惑メールフィルターやブラックリストの影響をうけにくくなります。「SPF」「DKIM」といった送信ドメイン認証の導入やIPレピュテーションの向上につながる対策がおすすめです。送信ドメイン認証とIPレピュテーションについては、下記でも詳しく解説しています。
ドメイン認証技術「SPF」「DKIM」の特徴・メリット・デメリットとは|ベアメールブログ
計画的に送信量を調整する
メルマガのように、一斉に大量のメールを送信する場合は、ISPやキャリア側の「受信数制限」に抵触しないように注意してください。受信数制限に抵触すると「スロットリング」という状態に陥り、特定のIPアドレスやメールサーバからのメールが一時的に受信拒否される可能性があります。これを回避するためには、各ISPが設けている受信制限の基準を超えないよう、大量のメールを一斉に送信するのではなく、小分けにして少しずつ送るなど調整することをおすすめいたします。
また、スロットリングは送信元IPアドレスのレピュテーションの低さが原因となる場合もあるため、事前に作成した配信計画に従って徐々に送信数を増やしていきIPレピュテーションのスコアをあげていくこと(IPウォームアップ)はスロットリングを回避するための施策のひとつです。
メールが届かない!「IPスロットリング」の原因・回避方法とは?|ベアメールブログ
メールリレーサービスの活用
メールリレーサービスは、大量のメールを高速に・確実に送信するためのサービスです。送信側から受信側へのメールを「リレー(中継)」するだけで利用でき、到達率の改善につながる施策(送信ドメイン認証・IPレピュテーション維持)などを代行することもできます。メール到達率の維持・改善には手間がかかる施策が多いため、メールリレーサービスを活用した省力化がおすすめです。
メールリレーサービスを比較|利用するメリットや選び方も解説|ベアメールブログ
まとめ
ここでは、メールマーケティングにおける効果測定指標や、その改善のための施策について解説してきました。開封率やクリック率は、顧客の反応を推し量る指標として優れています。しかし、この2つだけに注力していても、メールマーケティングの効果改善にはつながりにくいかもしれません。まずは、すべての指標の大元であるメールの到達数(有効配信数)を上げ、到達率を高い水準で保つことが大切です。
「ベアメール」は、高いIPレピュテーションの環境からメールを高速配信できる「メールリレーサービス」と、メールが届かない原因を分析して改善策を提示する「迷惑メールスコアリングサービス」を提供しています。
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