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2022.04.05 (火)
トランザクションメールとは? 効果的な活用法や注意点、届かないときの対策を解説
Last Updated on 2025.11.13
トランザクションメールとは、ユーザのアクションをトリガーとして、システムから自動で出るメールのことです。例えば、ECサイトやWebサービスにおける会員登録時の確認メールや、商品購入・予約・申し込み完了時のサンキューメールなどが挙げられます。こうしたトランザクションメールがユーザへ確実に届かなくては、そもそも取引を始めることもできません。ユーザとの良好な関係を構築するために欠かせない重要なツールです。
本記事では、トランザクションメールの概要と特徴、効果的な送り方、注意点、トランザクションメールが届かない場合の対策について解説します。
目次
トランザクションメールとは
トランザクションメールとは、顧客の特定のアクションなど、あらかじめ設定した何らかのトリガーによって送られる自動送信メールのことを指します。システムから自動で送信されるため、「システムメール」や「通知メール」などと呼ぶ人も多いかもしれません。
マーケティングメールとの違い
トランザクションメールとしばしば比較されるのが、マーケティングメールです。マーケティングメールは、製品の宣伝や販売促進、ブランドの認知度向上を目的として、企業が戦略的に配信するメールを指します。具体的には、商品・キャンペーンの案内を一斉配信するメルマガ、あらかじめ準備しておいた複数のメールを特定の期間にわたり配信するステップメール、ユーザの属性に合わせた情報を配信するターゲティングメールなどが該当します。
トランザクションメールとマーケティングメールの主な違いは、その目的にあります。トランザクションメールは「受信者が取った行動」に関連する通知を届けることが主目的であるのに対し、マーケティングメールは「受信者に取ってもらいたい行動」へと誘導することを狙いとしています。
トランザクションメールの主な種類
トランザクションメールには、ユーザのアクションに応じた様々な種類があります。ここでは、代表的なトランザクションメールの種類とその具体例を紹介します。
会員登録・アカウント作成時の確認メール
Webサービスやアプリを利用する際、最初のアクションとなるのが会員登録です。この登録手続きが完了したことを知らせる「会員登録完了メール」や、登録されたメールアドレスが有効であることを確認する「本人確認メール」は、トランザクションメールの典型例です。
これらのメールは、ユーザがサービスをスムーズに利用開始するために重要な役割を果たします。
問い合わせに対する自動返信メール
企業のWebサイトや問い合わせフォームから送信された問い合わせに対して、自動的に返信されるのが「自動返信メール」です。
問い合わせが正常に送信されたことをユーザに知らせ、担当者からの返答を待つ間の不安を軽減する役割を果たします。本文には、問い合わせの受け付け日時や問い合わせ内容の控え、今後の対応方針や回答までの目安などを記載するのが一般的です。
注文確認・発送通知メール
ECサイトで商品を購入すると、注文や支払い、商品の発送といった一連のプロセスが発生します。これに伴い送信されるのが、「注文確認メール」「支払い完了通知メール」「発送通知メール」などのトランザクションメールです。
これらのメールは、顧客に対して注文状況を正確に伝え、きちんと処理が行われているという安心感を提供します。特に注文確認メールには、注文番号、購入商品、金額、配送先といった重要な情報が記載されており、顧客が注文内容を再確認するのに役立ちます。
予約・申し込み完了メール
レストランの予約、イベントへの参加申し込み、資料請求など、オンラインでの予約や申し込み手続きが完了した際に送信されるのが「予約完了メール」や「申し込み受付完了メール」です。これらのメールには、予約日時、場所、内容、キャンセルポリシーなどが記載され、ユーザが予定を管理しやすくなります。
また、問い合わせフォームからの送信内容確認や、アンケート回答完了の通知なども、この種のトランザクションメールに含まれます。
ワンタイムパスワード(OTP)メール、パスワード再設定通知メール
ユーザ認証やセキュリティ強化のために送信されるのが「ワンタイムパスワード(OTP)メール」や「パスワード再設定通知メール」です。OTPメールは、ログインや重要な操作時に一時的に有効なコードを送信し、本人確認を行うために利用されます。パスワード再設定通知メールは、ユーザがパスワードを忘れた際やセキュリティ上の理由で変更する際に送られ、再設定用のURLや手順を案内します。
いずれもアカウントの不正利用を防止するための重要なトランザクションメールであり、確実かつ迅速に届くことが求められます。
オフラインの行動をトリガーとする通知メール
トランザクションメールは、オンライン上のアクションだけでなく、オフラインでの行動をトリガーとして送信される場合もあります。例えば、店舗でのポイントカード利用時に送られるポイント残高通知メール、学習塾やスポーツジムでの入退室情報を保護者に通知するメールなどが挙げられます。
これらのメールは、オフラインでの行動とオンラインでのコミュニケーションを結びつけ、よりきめ細やかな顧客体験を提供することに貢献します。
トランザクションメールの特徴
前述した通りトランザクションメールには様々な種類がありますが、次のような共通する特徴を持っています。
確実に届ける必要がある
WebサービスやECサイトの会員登録は、ユーザの興味関心が最も高まっているタイミングと言えます。仮登録メールや登録完了メールが届くまでに時間がかかったり、届かなかったりすれば、ユーザの熱は冷めてしまい、せっかくのチャンスを逃してしまうことになります。
また、ワンタイムパスワードやパスワード再設定通知、注文確認・発送通知、予約・申し込み完了通知などのトランザクションメールは、顧客が必要としている重要なメールです。こうしたメールが届かないことは機会損失やクレームに直結し、サービスに対する不信感を招きます。システムから自動送信されるため、普段意識することは少ないかもしれませんが、メルマガなどのマーケティングメールよりも「確実に届けなくてはいけない」という重要性は高いといえます。
開封率が高くなりやすい
トランザクションメールはその性質から、メルマガよりも圧倒的に開封率が高い傾向にあります。そのため、工夫次第で顧客との関係構築やエンゲージメントの向上、また「次回も同サイトで購入をしよう」といった信頼感の醸成につなげることも可能です。
例えば、ログイン時にウェルカムメールを送り、新商品の紹介を行うことにより、売上げの促進やブランドイメージ強化が期待できます。
ユーザの同意(オプトイン)が不要
迷惑メール防止二法では、広告・宣伝を目的とする電子メール送信に関して、事前に受信者から同意を得ること(オプトイン)を義務付けています。一方でトランザクションメールは、広告・販促を目的とするメールに該当しないため、受信者からオプトインによる同意を得ずに配信できる点もメリットといえます。
オプトイン・オプトアウトの重要性についてはこちらの記事をご覧ください。
オプトアウトとは?メール配信を始める前に押さえておきたいオプトアウトの重要性| ベアメールブログ
トランザクションメールの効果的な活用法
メルマガなどのマーケティングメールよりも開封率が高いトランザクションメールですが、ユーザとの関係構築に活用するためにはどのような工夫が必要なのでしょうか。ここでは効果的なトランザクションメールを送るためのポイントについて解説します。
CTA(Call To Action)を入れる
CTAとは、メールの購読者に期待するアクションを促すための手段(リンク・ボタンなど)です。例えば、メールを受け取ったユーザにおすすめの商品を購入してもらいたい場合や、商品のレビューを書いてもらいたい場合に、アクションを促すリンクやボタンをメール本文内にわかりやすく配置することで、ユーザにアクションを取ってもらいやすくなります。
ただし、CTAの数が多すぎると、実際にアクションを行うユーザは少なくなってしまう傾向があるので、1通のメールに対しCTAは1~2つに絞りましょう。

CTAには目立つ画像やボタンを使う
CTAは、受け取ったユーザが視覚的にもすぐわかるように、デザインや配置の工夫が必要です。テキストリンクではなくボタンのようなデザインにし、明るく対照的なカラーを使用することはユーザの行動を促すのに有効だと言われています。
また、ユーザにとって「この行動が自分にとって必要である」「メリットがある」と思わせるためにも、遷移先がイメージしやすいような説明が必要です。

ユーザにとって親切な案内を盛り込む
特定のアクションを取ったユーザが、その次に行うと考えられる行動をアシストするようなトランザクションメールは効果を発揮しやすくなります。
例えば、サービスのアカウントを作成したユーザに対して、そのサービスを利用するために必要な次のアクションを促したり、便利な機能やチュートリアルを紹介したりするようなメールはユーザーのエンゲージメントを高められます。
その他にも、会員登録をしたばかりのユーザに対して、商品購入ページへの誘導だけでなく、初回限定の割引やウェルカムキャンペーンなどの案内を併せて行うことは、購買意欲を高める上で非常に有効でしょう。

トランザクションメール作成時の注意点
CTAや内容の工夫次第で、ユーザに次のアクションを効果的に促せるトランザクションメールですが、作成時に注意すべき点もあります。ここでは、押さえておくべきポイントを解説します。
短くシンプルなメールにする
トランザクションメールの用途によっては、短くシンプルにすることが重要です。
例えば、パスワードのリセットや予約内容の確認といった場面では、ユーザが必要とする情報をわかりやすく伝えるシンプルなデザインが好まれます。
できるだけ多くの情報を伝えたいと思い、つい情報を盛り込みたくなるかもしれませんが、肝心の情報がわかりにくくなってしまえば、ユーザを苛立たせてしまいます。常にユーザが求めていることを第一に考えるようにしましょう。
配信停止の手段を設ける
トランザクションメールにはオプトインによる同意は必要ありませんが、配信停止の手段(オプトアウト)は用意しておくことが望ましいです。メールの本文内にオプトアウトの記載がないと、迷惑メールとして判定されてしまう可能性があるためです。
一方で、ユーザとしても必要なメールが届かなくなってしまうことは避けたいはずなので、メールの配信をすべて停止する選択肢だけでなく、受け取りたいメールの種類や配信頻度などを受信者が自由に設定できる選択肢も用意しておくと良いでしょう。

トランザクションメールが届かない? 影響と対策
トランザクションメールは、メルマガなど大量に一斉送信する広告・宣伝メールと異なり、少量ずつ、かつ配信を希望している人に送るメールのため、「届いて当たり前」と思われがちです。しかし、意外にも受信をブロックされたり、迷惑メールフォルダに振り分けられたりするケースが多くなっています。
トランザクションメールが届かないとどうなる?
特にGmailやiCloudなどのメールサービス、docomoやau、Softbankといった携帯キャリア宛のメールは、各プロバイダの迷惑メール対策によって届きにくい場合があり、実際に会員登録時に特定キャリアのメールアドレスの使用を避けるように促しているWebサイトやサービスも多く存在しています。
しかし、推奨されていないメールアドレスしか持っていないユーザはどう感じるでしょうか。このような制限を設けることによって、他のメールアドレスをわざわざ取得したり、メールをなんとしてでも受信するために設定を変更してくれたりするような、非常に熱意のあるユーザだけに絞られてしまう可能性があります。
重要なトランザクションメールが届かなければ、機会損失やクレームを招き、サービスへのネガティブな影響が発生します。できるだけユーザに手間をかけさせず、幅広いドメインに対してメールをしっかりと届けるためには、メールを送信するシステム側で対応する必要があります。
トランザクションメールを確実に届けるために
メールの不達にはさまざまな要因があり、確実に届けるためには、送信方法やメールの形式・内容、メールを送信するシステムや関連する各種設定など、気をつけるべきことが数多くあります。
その中でも、トランザクションメールを確実に相手へ送るためには、メール送信に特化した「SMTPリレーサービス」を利用するのがお勧めです。SMTPリレーサービスは、迅速かつ確実にメールを送信するために様々な工夫がされており、今のシステムからメールをリレーするだけで到達率を改善することができます。
SMTPリレーサービスの主なメリットは以下の通りです。
- 配信基盤から分散して配信することで、メールの大量送信・高速配信が可能
- レピュテーション(信頼度)の管理されたIPアドレス群から配信されるためメールの到達率が高い
- SMTPサーバーの運用負荷が下がる(サービスにより完全に不要となる場合も)
- 国内携帯キャリアへの到達率向上(国内IPアドレスからの配信に限る)
- メール配信後の結果(ログ)の確認や分析がしやすくなる(サービスによる)
SMTPリレーサービス(メールリレーサービス)について詳しくは、こちらの記事をご参照ください。
メールリレーサービスを比較|利用するメリットや選び方も解説| ベアメールブログ
まとめ
トランザクションメールは、ユーザが必要とする情報を届けるために重要な手段です。上手く活用することで、顧客との信頼構築やエンゲージメントの向上、売上げの促進、ブランドイメージ強化などが期待できます。
しかし、送信環境を正しく設定・運用管理しないと、送信したメールが迷惑メールと判定され、届かない恐れがあります。トランザクションメールをユーザへ確実に届けるためには、SMTPリレーサービスのような外部サービスを利用し、メールを送る環境を整えることをお勧めします。