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メールが届かない原因とは? 受信側と送信側で考えられる原因と対策について解説

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Last Updated on 2025.06.12

「送ったはずのメールが相手に届いていない」「メールを送信したら配信エラーで返ってきてしまう」……など、メールが届かないトラブルの経験はありませんか?メールは送れば当たり前に届くものだと多くの人が信じているかもしれませんが、実はさまざまな要因により、「メールが届かない」という問題が発生しています。
本記事では、メールが届かない状況を解決するために、受信側・送信側で考えられる原因とその対策について解説します。まず確認すべきポイントをまとめたチェックリストも用意していますので、メールが届かなくて困っている方はぜひ参考にされてみてください。

メールが届かない時のチェックリスト

メールが届かないトラブルに遭遇した場合、まずは以下のチェックリストに沿って確認することで、多くの問題は比較的簡単に解決できます。送信側と受信側、それぞれの立場で確認すべき項目を見ていきましょう。

<受信側のチェックリスト>

  1. インターネット接続は正常ですか?
  2. メールボックスの容量が上限に達していませんか?
  3. 迷惑メールフォルダを確認しましたか?
  4. 送信者のアドレスやドメインが受信拒否設定されていませんか?
  5. セキュリティソフトで隔離されていませんか?

<送信側のチェックリスト>

  1. 宛先のメールアドレスに誤りはありませんか?
  2. 添付ファイルのサイズが大きすぎませんか?(5MB以上は注意)
  3. IPアドレスやドメインがブラックリストに載っていませんか?
  4. SPF・DKIM・DMARCなどの送信ドメイン認証は適切に設定されていますか?
  5. メールの本文にスパムと判定されそうな表現などはありませんか?

上記のチェックリストを確認した上で、それぞれの原因に応じた対処法を試してみましょう。

2024年以降は主要メールサービスのセキュリティ基準が厳格化されているため、送信ドメイン認証などに不備があるとこれまで届いていたメールも届きにくくなっています。

メールが届く仕組みと、届かない原因

メールが届かない理由を突き止めるために、まずはメールが宛先に届く仕組みを理解しましょう。送信者がメールを送ってから受信者の元まで届くまでは、以下のような流れとなります。

  1. 送信者が送信メールサーバーにメールを送る
  2. 送信メールサーバーが受信側のメールサーバーにメールを送る
  3. 受信側メールサーバーが、送られてきたメールについて送信元認証や迷惑メールフィルターを通し、問題がないか確認をする
  4. 問題のないメールは受信者のメールボックスに配送する
  5. 受信者は受信メールサーバーからメールを取得して、自分のデバイスで確認する
メールが届く流れの図解

メールが届かない場合は、この流れのどこかで問題が発生していることになります。

送信側と受信側それぞれの問題

メールが届かない原因

例えば送信者側では、以下のような問題が考えられます。

  • 宛先のメールアドレスを間違えている
  • メールサイズやメールフォーマットに問題がある
  • 送信元IPアドレスやドメインがブラックリストに登録されている
  • 送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)に不備がある
  • メールの内容で迷惑メールとして判定されている

受信者側の問題としては、以下のような場合が考えられます。

  • 受信者から受信メールサーバーへの通信に問題がある
  • 受信メールサーバーに何らかのトラブルが発生している
  • 受信者のメールボックスに空きがない
  • 受信者がメールの受信拒否設定をしている
  • 迷惑メールフィルターによって、迷惑メールだと判定された

エラーメールが返ってこなくても、届いていないこともある

送信したメールが何らかの理由により宛先に届けられなかった場合、エラーを通知するバウンスメール(エラーメール)が送信者宛に送られます。バウンスメールには、メールのエラーコードと理由が記載されているため、内容を確認することで対処方法を把握できます。

バウンスメールで確認できるメールエラーの内容について詳しくはこちらの記事で解説しています。
メールのエラーコード(SMTPステータスコード)の意味と対策 | ベアメールブログ

しかし、メールが宛先に届いていないにも関わらず、バウンスメールが送られてこないケースも多くあります。バウンスメールが届かないのは、以下のような理由が考えられます。

  • 受信メールサーバーでメールは受け取ったが、迷惑メールフォルダに振り分けた
  • 受信メールサーバーが迷惑メールとして拒否し、エラー通知も行わなかった
  • メールアドレスの綴りを間違え、存在する別の宛先に送信してしまった
  • 送信者がバウンスメールを受け取れるようにしていなかった

このように、バウンスメールが届かないからといって宛先に届いているとは限らないため注意が必要です。

受信側が確認すべき、メールが届かない原因と対策

それでは、受信側でチェックすべき主な原因と対策について簡潔に解説します。

メールサーバーへの通信トラブル(インターネット接続の問題)

基本的なことですが、メールサーバーと通信ができなければメールを受信できません。まずはWi-Fiや携帯電話回線が正常に機能しているか確認しましょう。

受信メールサーバーのトラブル

受信メールサーバーに何らかのトラブルが発生していることも考えられます。一時的にメールサーバーが過負荷になっていたり、メールサーバーに障害が発生していたりするかもしれません。

企業のメールサーバーを利用している場合は、情報システムの担当者に確認しましょう。メールサービスを利用している場合は、公式サイトやSNSで障害情報がないか確認してみましょう。

受信ボックスの容量が上限に達している

個人のメールボックスには容量に制限があります。受信者のメールボックスの容量が上限に達した場合、それ以降新たにメールを送られても受信ができずに拒否されてしまいます。

不要なメールや添付ファイルを定期的に削除して、メールボックスの空き容量を確保しましょう。特にGmailを利用している場合、利用可能な容量はGoogle Drive全体で共有となるため注意が必要です。

受信側での迷惑メールフィルターの設定

メールサービスの迷惑メールフィルターが過剰に反応して、正当なメールでも迷惑メールフォルダに振り分けられてしまうことがあります。 届くはずのメールがなかなか届かない場合は、迷惑メールフォルダを確認してみましょう。

もし正常なメールが入っていた場合は「迷惑メールではない」と報告すると、同じ送信者からのメールが迷惑メールフォルダに振り分けられにくくなります。また、重要な送信者は連絡先に追加するか、フィルター設定でホワイトリスト(受信許可リスト)として登録すると良いでしょう。

受信拒否設定をしている

「特定のメールアドレスやドメインからのメールを受信しない」「HTMLメールは受信しない」といったように、拒否設定が原因となっていることがあります。携帯キャリアでは、はじめからこのような設定をされているケースも多いです。

この場合は、受信者側で受信拒否設定を解除する必要があります。利用中のメールサービスの拒否設定を確認しましょう。

各メールサービスごとの迷惑メール対策や、チェック方法についてはそれぞれ以下の記事をご確認ください。

Yahoo!メールに届かない原因とは? 送信者は必ずチェックしたい改善策 | ベアメールブログ
Gmailにメールが届かない!Gmailへの到達率改善のヒント | ベアメールブログ
メールが届かない原因はどこにある? ~docomo編~ | ベアメールブログ
メールが届かない原因はどこにある? ~SoftBank編~ | ベアメールブログ
メールが届かない原因はどこにある? ~au編~ | ベアメールブログ

送信側が確認すべき、メールが届かない原因と対策

メールが宛先に届かない場合、送信側に問題があるケースも多くあります。ここでは送信側で確認すべき、メールが届かない主な原因と対策について解説します。

送信先メールアドレスの間違い

送信先のメールアドレスが誤っている、またはそのメールアドレスがすでに削除されている場合は、宛先が存在しないためにメールを送ることができません。その場合は、「User Unknown」といったエラー内容のバウンスメールが返ってきます。メールの送信時には、スペルミスなどがないか確認するようにしましょう。

また、存在しない宛先にメールを送信し続けると、スパマーと判断されやすく、送信者のIPアドレスやドメインに悪影響が及ぶため、User Unknownのエラーとなった宛先は送信リストから削除することをお勧めします。

メールマガジンや会員の登録などの際にユーザが間違ったアドレスを入力してしまうことを防ぐために、「ダブルオプトイン」の仕組みを取り入れることもお勧めです。ダブルオプトインとは、メールアドレスを入力して仮登録をした後、そのアドレスに届いた登録用URLからアクセスすることで正式な登録完了とする方式です。メールアドレスの有効性を事前に確認できるため、宛先の間違いを防ぐために有効です。

メールサイズやメールフォーマットの問題

動画や、資料などのPDFを添付ファイルとして送る場合、受信側メールサーバーの受信可能なファイル容量制限に抵触して受信拒否されるケースがあります。

メールサイズの上限は宛先の環境によって変わりますが、携帯キャリアであれば1〜3MB程度、GmailやOutlookなどのメールサービスは20MB程度となっています。受信側の容量制限を考慮し、大きなファイルはクラウドストレージに保存したり、転送サービスを使用するといった対応が必要になります。

メールサイズの上限や、対応方法について詳しくはこちらの記事で解説しています。
メールサイズとは? 送信前にメールサイズを確認する方法、超過する場合の対策を解説 | ベアメールブログ

また、メールの形式がレギュレーションに準拠していることも重要です。RFC 5322(Internet Message Format)への準拠は、メールソフトでメールを作成する場合には自動で対応していることが多いため、特段意識する必要はないかもしれません。HTMLメールを送信する場合には、HTML規格に準拠するように気を付けましょう。

IPアドレスやドメインがブラックリストに登録されている

メール送信元のIPアドレスやドメインが、迷惑メール対策組織のブラックリストに掲載されていると、メールが届かなくなることがあります。ブラックリストは「Spamhaus」や「Spamcop」をはじめとする複数の対策団体が管理しており、迷惑メールを配信していると判断されると、リストに登録されてしまいます。

もしもブラックリストに登録されてしまった場合は、すぐに解除申請を行う必要があります。解除せず、そのまま放置し続けると他の団体のブラックリストへ次々登録されてしまうことがあります。意図せずブラックリストに登録されてしまうこともあるので、定期的に登録されていないか確認することをおすすめします。

各ブラックリストの確認方法や、解除申請の方法についてはこちらの記事で詳しくまとめていますので参考にしてみてください。
ブラックリスト登録されたメールの確認・解除方法について|ベアメールブログ

送信ドメイン認証がされていない

送信元のドメインに、SPF・DKIM・DMARCといった送信ドメイン認証の設定がされていなかったり、不備があったりすると、メールが届かない要因となります。

SPF(Sender Policy Framework)

メールの送信元サーバーが許可されたものか確認する仕組みです。
送信元ドメインのDNSにSPFレコードを設定することで導入できます。

DKIM(DomainKeys Identified Mail)

メールに電子署名を付与し、送信元サーバーの正当性と、メールの内容が送信途中で改ざんされていないことを検証する仕組みです。
送信メールサーバーで電子署名を付与する仕組みを実装し、DNSにDKIMレコードを設定することで導入できます。

DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance)

SPF・DKIMで認証したドメインと、メールに表示される差出人(ヘッダFrom)のドメインが一致しているか確認する仕組みです。
送信元ドメインのDNSにDMARCレコードを設定することで導入できます。

SPFは以前から必須とされていましたが、Gmailを始めとする主要メールサービスはセキュリティ基準を大幅に強化しており、現在ではDKIM・DMARCも事実上必須となっています。対応できていないメールは、迷惑メールフォルダに振り分けられたり、受信拒否されたりする可能性が高まっています。DMARCを必須・推奨としている主要なメールサービスは以下の通りです。

メールサービス2025年現在の認証要件備考
GmailSPF・DKIM・DMARCの設定が必要1日5,000通以上配信する場合、または新規ドメインの場合
OutlookSPF・DKIM・DMARCの設定が必要1日5,000通以上配信する場合
Yahoo!メールSPF・DKIM・DMARCの設定を推奨 
iCloudSPF・DKIM・DMARCの設定が必要 
docomoSPF・DKIM・DMARCを推奨DMARCの設定がない・認証に失敗した場合、メールに警告を表示

送信ドメイン認証SPF・DKIM・DMARCについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご確認ください。
SPFレコードとは? 書き方・設定手順・確認方法まで完全ガイド | ベアメールブログ
DKIMとは? 仕組みから導入方法までわかる入門ガイド | ベアメールブログ
普及率急上昇中のDMARCとは? 必要とされる背景や、仕組みを解説 | ベアメールブログ

メールの内容で迷惑メールと判定されている

メールのサイズや送信元認証に関する設定に問題がなくても、メールの内容に問題があると迷惑メールフィルターで弾かれてしまう可能性があります。例えば、スパムメールでよく利用されるワードや煽り文句、飾り罫線など記号の多用などは迷惑メールと判断されやすくなります。

また、メール本文内に記載するURLの安全性も重要です。URLリンクが切れていたり、リンク先のサイトのセキュリティレベルが低かったりすると、迷惑メールと判定される可能性が高くなります。また、リンク先Webサイトに問題がなくても、短縮URLサービスを使用していると危険なサイトとの判別がつかないため警戒される傾向にあります。

迷惑メール扱いされないためには、以下のようなポイントに気をつけましょう。

項目推奨される方法避けるべき方法
件名簡潔で具体的な内容記号の多用、緊急性を煽る表現、過剰なプロモーション表現
本文構成簡潔な挨拶、明確な本文、適切な署名、購読解除リンクの設置金銭や利益を強調する、画像のみ、過度な装飾、関連性のない内容、怪しいフォーマット、(メルマガの場合)購読解除リンクがない
URLリンク正規URLの明示、適切な説明リンク切れ、ドメイン評価の低いWebサイトへのリンク、短縮URLの使用、大量のリンク

迷惑メール判定のチェックポイントについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
迷惑メールだと判定されてしまう理由とは? スパム判定のチェックポイントと回避方法を解説|ベアメールブログ

送ったメールが届かない原因を簡単にチェック

送信したメールが相手に届かない理由には複数の要因が考えられるため、一つ一つ調査するには膨大な手間がかかる上に、そもそもどうやって調べたら良いかもわからないというのが実情ではないでしょうか。

「迷惑メールスコアリング」なら、テストメールを送信するだけで、迷惑メールに判定されてしまう原因を多角的にチェック可能です。迷惑メールスコアリングは、ベアメール メールリレーで培ってきたメール配信のノウハウとAI技術を組み合わせて開発した、メールが届かない原因を究明するサービスです。

無料デモ診断も可能なため、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

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まとめ

本稿では、メールが届かない原因と対策について送信側・受信側の双方の面から解説をしてきました。メールは、企業と顧客をつなぐ重要なコミュニケーションツールです。メール不達を改善するには、送信環境の運用管理、メールコンテンツや本文の見直しなど、さまざまな点に注意を払う必要があり、ノウハウが必要となります。
当社は、「メールを確実に届ける」ことにフォーカスしたサービスとして、高いメール到達率を実現するメールリレーサービス「ベアメール」と、メール配信のノウハウとAI技術を組み合わせ開発した〈迷惑メールに判定される可能性〉が確認できるサービス「迷惑メールスコアリング」を提供しています。メールに関する課題を解消するために、お客さまの状況に応じた支援をいたしますのでぜひお気軽にご相談くださいませ。