Menu

BLOG ベアメールブログ

VMCとは|取得方法や費用、CMCとの違いをわかりやすく解説

VMCとは?取得方法や費用、CMCとの違いをわかりやすく解説します

「メールの信頼性を高めたい」「ブランドロゴを受信トレイに表示したい」──

そんなときに欠かせないのがVMC(Verified Mark Certificate)です。

VMCは、メール認証技術「BIMI(Brand Indicators for Message Identification)」でブランドロゴを表示するために必要な電子証明書です。

この記事では、VMCの仕組みからBIMIとの関係、CMCとの違い、取得に必要な条件、費用の目安まで、わかりやすく解説します。

VMC(Verified Mark Certificate)とは

VMC(Verified Mark Certificate)は、企業のブランドロゴが正規のものであることを第三者機関が証明する電子証明書です。

BIMIを利用して受信トレイ上にロゴを表示する際に必要となり、ロゴの正当性を保証する役割を担います。

企業はVMCを取得する際、以下のような複数の要素について認証局から審査を受けます。

  • 登記情報の確認:法人として実在していることを確認
  • 登録担当者の確認:申請企業に在籍していることを確認
  • 商標登録の確認:ロゴが正式に登録済みであることを確認
  • ドメインの所有確認:送信に使用するドメインが正当に保有されていることを確認

これらがすべて認められた企業だけが、正規の送信者であることを証明するものとして、自社のブランドロゴをメールに表示できます。

VMCとBIMIの関係|BIMIの前提条件

BIMIは、受信トレイ上で送信者名の横に企業ロゴを表示し、正規のブランドからのメールであることを視覚的に示す国際標準仕様です。Gmail やdocomoなど主要なメールサービスで対応が進んでおり、ブランドの信頼性や開封率の向上につながる取り組みとして注目されています。

メール受信トレイの表示比較画像。左側は「BIMIなし」、右側は「BIMIあり」。「BIMIなし」では送信者アイコンがシンプルな文字アイコンになっているのに対し、「BIMIあり」では企業のブランドロゴが表示され、送信者名の横に青い認証マークが付いている。

ただし、BIMIでロゴを表示するには、そのロゴが本物であるという認証を第三者機関から受ける必要があります。その役割を担うのがVMCです。VMCの認証局は、企業の登記情報や商標登録を確認し、「このロゴは確かにこの企業のもの」と証明します。

つまり、BIMIは「ロゴを表示する仕組み」、VMCは「ロゴの正当性を証明する仕組み」という関係にあります。この2つを組み合わせることで、受信者に安心感を与えることができます。

BIMIの詳細については、以下のブログを参考にしてください。

メールにロゴを表示するBIMIとは? 導入のメリットや設定方法を解説|ベアメール ブログ

CMCとの違い|導入ハードルと対応範囲の差

VMCと 同じくCMC(Common Mark Certificate)も、ブランドロゴの正当性を証明するための電子証明書です。どちらも BIMIでロゴを表示する際に利用されますが、商標登録の要否や審査基準、表示範囲などに違いがあります。

項目VMCCMC
商標登録の要否必須
(商標登録済みロゴのみ対象)
不要
(商標未登録でも利用可)
審査基準登記・商標・ドメインなどを厳格に審査ロゴの継続使用実績を確認
取得の難易度高い
(審査期間は数週間〜1か月)
比較的低い
(審査期間は数日〜数週間)
費用
(年間数十万円〜)
中〜低
(数万円〜十数万円)
公式マーク表示ありなし
表示範囲Gmail・au・docomoなどGmailのみ

BIMIでロゴを表示するためにCMCを使用することもできますが、対応環境はGmailに限られます。一方、VMCを取得すると、主要メールサービス(Gmail・au・docomoなど)でロゴが表示されることが確認されています。

そのため、なるべく多くのメールサービスでブランドロゴを表示させ、正規のブランドからのメールであることを視覚的に示したい場合は、VMCの取得がおすすめです。

VMCを取得する条件と流れ

VMCを取得するには、いくつかの技術的・法的な要件を満たしたうえで、認証局による審査と発行手続きが必要です。

特に、DMARCの設定・商標登録・ロゴ形式の準備は、どの認証局でも共通する基本条件です。これらの準備状況によって、後述する取得コストにも違いが生じます。

【前提条件】取得前に準備が必要な項目

1. DMARCを設定し、ポリシーを「quarantine」または「reject」に引き上げる

BIMI仕様上、DMARCポリシーが「none」のままではロゴが表示されないため、必ず「quarantine」または「reject」に設定を強化する必要があります。

2. 商標登録済みのブランドロゴを用意

VMCで登録できるのは、特許庁で商標登録されたロゴのみです。未登録のロゴは対象外となります。

3. BIMI対応形式(SVG Tiny 1.2)でロゴを準備

通常のSVGとは異なる仕様です。Adobe Illustratorなどで再書き出しを行うか、デザイナーに変換を依頼するのが一般的です。

【取得の流れ】申請から発行までのステップ

1. 認証局に申請

DigiCert、GMOグローバルサインなどのVMC認証局を選び、申請フォームから手続きを行います。

2. 認証局による審査

登記簿謄本や法人名義の電話番号・口座情報などをもとに、認証局が企業の存在を確認します。
加えて、申請担当者が企業に所属していることを確認するため、Web会議での審査も必要になります。

3. 証明書の発行

審査通過後、VMC証明書が発行されます。

VMC取得の詳しい流れは、「BIMI導入ガイドブック」をご確認ください。(対象ページ:P.11-17)

VMC取得にかかる費用

VMCの費用は、発行元(認証局:CA)や契約期間によって異なりますが、年間およそ20万円前後が一般的な相場です。

証明書の有効期限は1年間で、継続利用する場合は毎年更新が必要です。複数年契約を利用すると、年間コストを抑えられる場合もあります。

また、登録情報やロゴに変更がなければ、更新手続きは比較的スムーズに完了します。

VMC取得とそれに伴う費用の詳細は、「BIMI導入ガイドブック」をご確認ください。(対象ページ:P.24)

まとめ|VMCはブランドを「見える信頼」に変える仕組み

VMCは、企業のブランドロゴが正規のものであることを第三者が正式に証明する電子証明書です。ただし、VMCを取得するだけではロゴは表示されません。送信ドメイン認証・商標登録・BIMI設定がすべて整ってはじめて、受信トレイにブランドロゴが反映されます。

この仕組みを整えることで、受信者は差出人をひと目で「正規の送信元」と認識でき、信頼性が高まります。結果として、ブランド認知の拡大や開封率の向上につながるケースも報告されています。

VMCは単なるセキュリティ対策ではなく、メールを通じて企業やブランドの正当性を可視化する仕組みです。まずはDMARC運用と商標登録から整え、メールを「安全に届く」だけでなく「選ばれて開封される」ものへと進化させていきましょう。

「ベアメール」は、高いIPレピュテーションの環境からメールを高速配信できる「メールリレーサービス」と、メールが届かない原因を分析して改善策を提示する「迷惑メールスコアリングサービス」を提供しています。

メール配信に課題をお持ちの方は、ぜひベアメールへお気軽にご相談ください。

ベアメール サービス紹介資料をダウンロードする ➡️ こちらから
ベアメールの導入事例を見る ➡️ こちらから
ベアメールのサービスについて問い合わせる ➡️ こちらから