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メールにロゴを表示する方法|BIMIとYahoo! ブランドアイコンや、プロフィール画像との違いと導入手順を徹底解説

メールにロゴを表示する方法はBIMIとYahoo! ブランドアイコンや、プロフィール画像の3つあります。それぞれの違いと導入手順を徹底解説します

最近、GmailやYahoo!メールなどで、差出人名の横に企業ロゴが表示されたメールを目にする機会が増えました。「自社のメールでもロゴを出したい」と考えている方も多いのではないでしょうか。

ロゴを表示すれば、受信者に一目で「公式なメール」であることを伝えられ、ブランドの信頼性や開封率の向上にもつながります。

本記事では、メールにロゴを表示する主な3つの方法(BIMI/Yahoo!ブランドアイコン/プロフィール画像設定)について、それぞれの特徴・導入条件・費用を比較しながらわかりやすく解説します。また、幅広い環境で正式にロゴを表示できる「BIMI」の仕組みと導入手順も詳しくご紹介します。

メールにロゴを表示する主な方法

ロゴを受信トレイ上に表示することで、視覚的な印象が大きく変わります。

ここで言う「ロゴを表示する」とは、受信トレイの差出人名の横に、自社の正式なブランドロゴを表示することを指します。

メールにロゴを表示した図

ロゴが表示されることで、受信者は正規の送信元からのメールであると直感的に認識でき、信頼性が高まります。

また、視認性の向上により、開封率やクリック率の改善、ブランド想起の促進などの効果が見られるケースもあります。

メールにロゴを表示する代表的な方法は、以下の3つです。

  • BIMI:主要メールサービスで採用が進む、国際的なブランドロゴ認証仕様
  • Yahoo!ブランドアイコン:Yahoo!メール専用の公式ロゴ表示制度
  • プロフィール画像設定:最も手軽にロゴや顔写真を表示する方法

いずれの手法にも一定の効果は期待できますが、導入条件やロゴの表示範囲、運用負荷などの点でそれぞれ違いがあります。

「どの方法が最も信頼性が高く、自社のビジネスに効果的か」を判断するために、詳細を順に見ていきましょう。

BIMI|ブランド公式ロゴを表示する国際的な認証仕様

BIMI(Brand Indicators for Message Identification)は、送信ドメイン認証を正しく運用している企業ドメインが、受信トレイ上で差出人名の横にブランドロゴを表示できる仕組みです。

Gmail、Apple Mail、au、docomoなど、主要なメールサービスが対応しており、複数の環境で統一的にロゴを表示できる唯一の国際標準仕様です。

導入には、ブランドロゴの正当性を証明する証明書(VMCまたはCMC)が必要です。

BIMIを実装することで、受信者に「正規のブランドから送られたメール」であることを視覚的に示せるようになり、フィッシング対策やブランド信頼性の向上につながります。

BIMIの詳細については、以下のブログを参考にしてください。

メールにロゴを表示するBIMIとは? 導入のメリットや設定方法を解説|ベアメール ブログ

導入要件と準備事項

BIMIを導入する際に確認すべき項目を 「認証要件」「表示範囲」「手続き・準備」「設定期間」 の4つの観点で整理します。それぞれの内容を確認し、自社の環境に合わせて導入を進めましょう。

認証要件

送信ドメイン認証に成功している必要があります。また、DMARCのポリシーが“none”だとロゴが表示されないため、“quarantine”または“reject”への引き上げが必須です。

表示範囲

Gmail・au・docomoなど主要サービスがすでにBIMIに対応しています。

フィッシング対策やブランド信頼性向上に有効な仕組みとして注目されており、今後も他のサービスへの拡大が期待されています。

手続き・必要な準備

ブランドロゴの正当性を証明するために、証明書(VMCまたはCMC)の取得が必要です。VMCを利用する場合は、商標登録済みロゴであることが前提となり、登録には費用と約半年〜1年の期間を要します。

設定完了までの期間

証明書発行とDNSの設定には、数週間〜1か月程度かかります。商標登録を含めると、半年〜1年程度を見込むのが現実的です。

DMARCのポリシーについては以下のブログを参考にしてください。

DMARCポリシー設定ガイド|「none」から「reject」へ強化する理由と進め方|ベアメールブログ

Yahoo!ブランドアイコン|Yahoo!メール専用のロゴ表示方法

Yahoo!メールでは、フィッシングや不正メール対策の一環として、企業や団体が送信する正規メールにロゴを表示できる「ブランドアイコン制度」を導入しています。

BIMIと似た仕組みですが、Yahoo!メール専用の独自制度であり、申請すれば無料で利用できるのが特徴です。

送信ドメインでSPFまたはDKIMが有効になっていれば申請が可能で、特にECや金融、会員制サービスなど、Yahoo!メール利用率の高い業界で効果を発揮します。

ブランドアイコンで安心安全なメール – Yahoo!メール

https://announcemail.yahoo.co.jp/brandicon_corp

導入要件と準備事項

Yahoo!ブランドアイコンの導入について、「認証要件」「表示範囲」「手続き・準備」「設定期間」 の4項目に分けて整理します。

認証要件

SPFまたはDKIMが有効化されている必要があります。設定が不十分な場合は審査を通過できません。

表示範囲

ロゴが表示されるのはYahoo!メールのみであり、Gmailなど他のサービスではロゴは表示されません。

手続き・必要な準備

Yahoo!の専用申請フォームから申請し、審査・承認を経て登録されます。証明書や商標登録は不要で、無料で導入できます。

設定完了までの期間

申請から反映までに数週間かかることがあります。スケジュールに余裕をもって申請しましょう。

プロフィール画像設定|最も手軽にロゴを表示する方法

Gmail、Outlook、iCloud Mailなどの主要メールサービスでは、アカウントのプロフィール設定からロゴや顔写真を登録できます。差出人欄に画像が反映される仕組みで、最も手軽に導入できるロゴ表示方法です。

DNS設定や証明書の取得は不要で、設定後すぐに反映されるため、個人・小規模事業者でも簡単に始められます。受信者に担当者・ブランドを印象付けたい場合に有効です。

導入要件と準備事項

プロフィール画像設定についても、「認証要件」「表示範囲」「手続き・準備」「設定期間」 の4つの観点から整理します。

認証要件

BIMIやYahoo!ブランドアイコンで求められる第三者認証は不要です。各メールアカウントの設定のみでロゴを表示できます。

表示範囲

メールサービスによってはロゴが表示されない場合があり、個別メール画面や送信者情報欄のみでの表示になることもあります。

手続き・必要な準備

各メールサービスのプロフィール設定からロゴや顔写真を登録するだけで完了します。

設定完了までの期間

設定自体は完了後すぐに有効になりますが、メールサービス側のキャッシュや同期タイミングの影響で、実際の表示が反映されるまで数日かかる場合があります。

メールにロゴを表示する3つの方法を比較|特徴まとめ

ここまで紹介した3つの方法を整理すると、それぞれ次のような特徴があります。

項目BIMIYahoo!ブランドアイコン プロフィール画像設定
対応サービスGmail/au/docomo などYahoo!メール専用Gmail/Outlook/iCloud Mail など主要サービス全般
認証要件 SPF/DKIM/DMARC
(DMARC=p=quarantine以上)
SPF または DKIM特になし
証明書・手続きVMCまたはCMCの取得が必要
(VMCは商標登録前提)
Yahoo!のフォームから申請、審査各メールアカウント設定から直接登録
導入期間目安数週間〜1か月
(商標登録を含めると半年〜1年)
数週間即日〜数日程度
費用証明書費用
(年間数万円〜数十万円)+商標登録費用
無料無料
主な特徴国際標準仕様。複数サービスで統一表示が可能導入が簡単。Yahoo!ユーザーに強い訴求力最も手軽。ブランド統一や担当者識別に有効
向いているケースブランド信頼性を高めたい中〜大規模企業Yahoo!利用者が多い業界(EC・金融など)小規模事業や社内メールなどでの活用

メールにロゴを表示する方法として上記の3つをご紹介しましたが、幅広い受信環境でブランドロゴを正式に表示できる唯一の共通仕様がBIMIです。

BIMIはGmailやau、docomoをはじめ複数のメールサービスで採用が進んでおり、一度設定すれば複数の環境で共通してロゴを表示できます。そのため、より多くの顧客に「正規ブランドの証」を届けることが可能です。

BIMI導入の条件と費用・期間の目安

BIMIを導入するには、送信ドメイン認証の設定を整えたうえで、商標登録済みロゴの準備や証明書(VMC/CMC)の取得など、いくつかの前提条件を満たす必要があります。

ここでは、導入に向けて確認しておきたい主な条件と、準備にかかる費用と期間の目安を整理します。

導入に必要な3要素

単にDNSにレコードを追加するだけでは、ロゴは表示されません。送信ドメイン認証の設定、ロゴデザインの準備、証明書の取得という3つの要素を満たすことが求められます。

以下の表に、それぞれの要素と概要をまとめます。

要素 内容補足
認証設定 SPF・DKIM が設定され認証成功しており、
DMARC ポリシーが p=quarantine 以上に設定されていること
DMARC ポリシーがnoneのままではBIMIは表示されない
ロゴ準備SVG Tiny 1.2形式でブランドロゴを用意背景透過・正方形推奨
証明書取得VMC または CMC を認証局から取得VMCは商標登録が前提、
CMCは商標不要だが審査要件あり

導入期間の目安

準備状況によって大きく変動しますが、おおよその目安は以下の通りです。

ケース 想定条件導入までの目安期間
認証基盤が整備済み SPF/DKIM 有効、DMARC を p=quarantine 以上に設定済み。
証明書発行とレコード設定のみ
約2〜6週間
商標登録から開始(VMC)商標出願〜登録、証明書発行、SVG 調整を含む約6〜12か月
認証整備から開始SPF/DKIM/DMARC の整備と運用設計、
証明書発行、レコード公開
数週間〜数か月

導入に必要な費用

BIMIの導入には、メール認証の整備に加えて、証明書(VMCまたはCMC)の取得などのコストが発生します。

証明書は認証局(CA)による審査を経て発行され、費用の目安は年間で数万円〜数十万円程度です。また、商標登録が済んでいない場合は、登録費用が別途必要になります。

これらの費用は、選択する証明書の種類や認証環境の整備状況によって変動します。すでにSPF/DKIM/DMARCの設定が整っている場合は、証明書の取得費用のみで導入できるケースもあります。

BIMI導入前に知っておくべきこと|VMCとCMCの違い

BIMIでブランドロゴを正式に表示するには、ロゴの正当性を証明する証明書が必要です。証明書には、 VMC(Verified Mark Certificate) と CMC(Common Mark Certificate) の2種類があります。

基本的には、VMCの取得が推奨されます。VMCは商標登録済みのロゴを対象とした厳格な証明方式で、Gmail、au、docomoなど複数のメールサービスに対応しています。

一方、「商標登録が難しい」「まずは試験的にBIMIを導入したい」といった場合には、CMCを取得するのも有効です。しかし、認証範囲はGmailに限られるので注意しましょう。

比較項目VMCCMC
商標登録必須
(登録済みロゴのみ申請可)
不要
(ブランド利用実績1年以上で可)
信頼性 高い
(厳格な認証手続き)
中〜高
(導入しやすい)
対応環境Gmail・Yahoo!・Apple Mailなど Gmailのみ
認証バッジありなし
費用年間20万円前後年間20万円前後

VMCとは|高い信頼性を保証する厳格な証明書

VMCは、ブランドの正当性を第三者機関が証明する厳格な証明書です。

商標登録済みのロゴのみが対象となり、認証局(CA)による組織の実在性やドメイン所有権の確認などの審査を経て発行されます。

Gmailなど一部の環境では、「認証バッジ」と呼ばれる青いチェックマークが表示されるのも特徴です。その高い信頼性から、金融機関・上場企業・大手ブランドを中心に導入が進んでおり、ブランド保護と信頼性の向上を図りたい企業に最適な選択肢です。

CMCとは|商標登録不要で取得できる証明書

CMCは、商標登録が済んでいないブランドでもBIMIを導入できる証明書です。

VMCと同様に、認証局(CA)による組織の実在性やドメイン所有権の確認などの審査を経て発行されます。最大の違いは、ロゴの商標登録証明が不要である点です。

対応環境は主にGmailが中心で、「認証バッジ」は表示されません。

信頼性やブランド訴求力の面ではVMCに及ばないものの、商標登録の準備が間に合わない企業や、BIMIを段階的に導入したい企業に適した選択肢です。

まとめ

メールにロゴを表示する方法を3つご紹介しましたが、中でも幅広い環境で公式ロゴを表示できる唯一の標準仕様がBIMIです。

導入には一定の準備が必要ですが、その過程で送信ドメイン認証の整備などを行うことで、ブランド管理体制の強化にもつながります。まずは自社の現状を整理し、目的やリソースに合わせて最適な方法を検討することから始めましょう。