メールヘッダの見方を解説|確認手順や主な項目、解析ツールも紹介

最終更新日:2026年11月02日 公開日:2020年06月03日
メールヘッダの見方を解説|確認手順や主な項目、解析ツールも紹介

「メールの送信元を確認したい」「メールが届くまでに時間がかかった原因を調べたい」といった場合に、調査の手がかりとなるのがメールヘッダです。

しかし、メールヘッダは普段目にする機会が少なく、確認方法がわからなかったり、表示できても複雑な情報が並んでいて、どこを見ればよいのか迷ったりすることもあるでしょう。

本記事では、GmailやOutlookなどの主要なメールソフトでメールヘッダを確認する方法から、各項目の意味、具体的な見方・解析方法までわかりやすく解説します。また、メールヘッダの解析に役立つツールも紹介します。

メールヘッダとは

メールヘッダとは、メールの差出人や宛先、送信日時、配送経路、認証結果など、メールに関するさまざまな情報が記載された部分です。

メールは大きく「ヘッダ」と「本文」で構成されています。ヘッダには、メールの送信時に設定される情報のほか、配送の過程でメールサーバーによって追加される情報も含まれます。

メールヘッダからわかること

メールヘッダには、主に以下のような情報が記載されています。

  • メールの基本情報:差出人や宛先のメールアドレス、件名、送信日時など
  • メールの配送に関する情報:メールが経由したサーバーや、各サーバーで記録された受信日時など
  • メールの認証に関する情報:SPF・DKIM・DMARCなどの送信ドメイン認証の結果
  • メールの形式に関する情報:メール本文の形式や文字コード、使用されたメールソフトの情報など
  • メールの管理に関する情報:メールを識別するためのIDや、メーリングリストの管理に関する情報など

これらの情報は、メールの送信元や配送状況を調査したり、なりすましメールの可能性を確認したりする際の手がかりとなります。

【メールソフト別】メールヘッダの確認方法

メールヘッダの確認方法は、使用しているメールソフトによって異なります。本章では、GmailやOutlookなど、主要なメールソフトでメールヘッダを表示する手順を解説します。

なお、多くのモバイルアプリでは詳細なメールヘッダを表示できないため、ここではPC版・Web版での確認方法を紹介します。

Gmail(Web版)

  1. Gmailを開き、メールヘッダを確認したいメールを選択します。
  2. メールの右上にある「その他(︙)」をクリックします。
  3. 「メッセージのソースを表示」を選択します。
  4. 新しいウインドウに、メールヘッダを含むメッセージのソースが表示されます。

表示された画面の「クリップボードにコピー」をクリックすると、ヘッダ情報をコピーできます。

参考:Gmailヘルプ「詳細ヘッダーからメールの経路を確認する」https://support.google.com/mail/answer/29436?hl=ja(2026/10/23確認)

Outlook(Windows版・Web版)

Outlookでは、使用しているバージョンによってメールヘッダの確認方法が異なります。

新しいOutlook(Windows版)・Outlook on the web

  1. Outlookを開き、メールヘッダを確認したいメールを選択します。
  2. メールの右上にある「その他のアクション(…)」をクリックします。
  3. 「表示」→「メッセージの詳細を表示する」を選択します。
  4. メールヘッダの詳細情報が表示されます。

従来のOutlook(Windows版)

  1. Outlookを開き、メールヘッダを確認したいメールをダブルクリックします。
  2. 別ウインドウでメールが開いたら、「ファイル」→「プロパティ」を選択します。
  3. 「インターネット ヘッダー」欄にメールヘッダが表示されます。

参考:Microsoft Support「Outlook でインターネット メッセージ ヘッダーを表示する」https://support.microsoft.com/ja-jp/outlook/view-internet-message-headers-in-outlook(2026/10/23確認)

Thunderbird

  1. Thunderbirdを開き、メールヘッダを確認したいメールを選択します。
  2. Windowsでは「Ctrl + U」、Macでは「Command + U」を実行します。
  3. メールヘッダを含むメッセージのソースが表示されます。

参考:Thunderbirdヘルプ「Thunderbird のキーボードショートカット」https://support.mozilla.org/ja/kb/keyboard-shortcuts-tb(2026/10/23確認)

Yahoo!メール(Web版)

  1. Yahoo!メールを開き、メールヘッダを確認したいメールを選択します。
  2. メール本文の右上にある開閉ボタンをクリックし、ヘッダ情報を表示します。
  3. 「詳細ヘッダー」をクリックします。
  4. 別ウインドウにメールヘッダの詳細情報が表示されます。

表示された画面の「詳細ヘッダーをコピー」をクリックすると、ヘッダ情報をコピーできます。

参考:Yahoo!メールヘルプ「メールの送信者情報の詳細(詳細ヘッダー)やメール全体のソースを表示する」https://support.yahoo-net.jp/PccMail/s/article/H000007254(2026/10/23確認)

Apple Mail(Mac版)

  1. Macの「メール」アプリを開き、メールヘッダを確認したいメールを選択します。
  2. メニューバーから「表示」→「メッセージ」→「すべてのヘッダ」を選択します。
  3. メールの詳細なヘッダ情報が表示されます。

参考:Gmailヘルプ「詳細ヘッダーからメールの経路を確認する」https://support.google.com/mail/answer/29436?hl=ja(2026/10/23確認)

メールヘッダの主な項目一覧

メールヘッダの確認方法がわかったら、次はその中身を見ていきましょう。ここでは、メールヘッダの主な項目を5つのカテゴリに分け、それぞれの役割や記載されている情報について解説します。

メールの基本情報

メールの差出人や宛先、件名、送信日時など、基本的な情報を示す項目です。

フィールド名 内容
Date メールが送信可能な状態になった日時
From 差出人のメールアドレス
To 宛先のメールアドレス
Cc カーボンコピー先のメールアドレス
Bcc ブラインドカーボンコピー先のメールアドレス
Subject メールの件名
Sender Fromに記載された差出人に代わって、送信処理を行った人などのメールアドレス
Reply-To メールの返信先として指定されたメールアドレス

※Bccに指定されたメールアドレスは、原則としてToやCcの受信者に届くメールのヘッダには表示されません。

メールの配送に関する情報

メールが経由したサーバーや配送日時、配信先のアドレスなど、メールの配送に関する情報を示す項目です。

フィールド名 内容
Delivered-To メールの配信先として使用されたメールアドレス
Received メールが経由したサーバーや、各サーバーで受信された日時などを記録する項目。配送経路の確認に使用される
Return-Path バウンスメールなどのエラー通知の送信先アドレス。SMTP通信時のエンベロープFromに指定されたアドレスが記録される

Receivedには、主に以下の情報が記録されます。

要素 内容
from 送信側のメールサーバーのホスト名やIPアドレスなど
by 受信側のメールサーバーのホスト名など
with メールの転送に使用されたプロトコル
for 配送先のメールアドレス
id メールサーバーが付与した識別子
via メールの転送に使用された通信手段

※Receivedの各要素は、一部省略される場合があります。

メールの認証に関する情報

メールの認証結果や、認証に使用される電子署名などに関する情報を示す項目です。SPF・DKIM・DMARCなどの認証結果に加え、メールの転送経路で記録された認証結果なども確認できます。

フィールド名 内容
Authentication-Results SPF・DKIM・DMARCなどの認証結果を記録する
Received-SPF SPFの認証結果や、判定に使用された送信元IPアドレスなどの情報を記録する
DKIM-Signature DKIMの電子署名や、署名に使用されたドメイン、セレクタなどの情報を記録する
ARC-Authentication-Results ARCを利用するメールシステムが、メールの受信時に確認した認証結果を記録する

メールの形式に関する情報

メール本文の形式や文字コード、データのエンコード方式、使用されたメールソフトなどに関する情報を示す項目です。

フィールド名 内容
Content-Type メール本文や添付ファイルなどのデータ形式、文字コードなどを示す
例:
– text/plain:プレーンテキスト形式の本文
– multipart/mixed:複数のパートで構成されたメール。添付ファイル付きメールなどで使用される
MIME-Version メールがMIME形式に従って作成されていることを示す。通常は「1.0」が記録される
User-Agent / X-Mailer メールの送信に使用されたソフトウェアの情報
例:Thunderbird、Outlookなど
Content-Transfer-Encoding メール本文などのデータの転送時の形式やエンコード方式を示す
– 7bit/8bit/binary:エンコード変換が行われていないデータの形式
– base64/quoted-printable:データのエンコード方式

メールの管理に関する情報

メールを識別するためのIDや、メール配信の登録解除などに使用される情報を示す項目です。

フィールド名 内容
List-Unsubscribe メルマガなどの配信登録を解除するためのURLやメールアドレス
Message-ID メールを識別するために付与された固有のID。メールのスレッド管理や重複判定などに使用される

メールヘッダの見方・解析方法

ここでは、実際のメールヘッダを例に、メールの送信元や配送経路、送信ドメイン認証の結果などを調べる方法について解説します。

メールの送信元を調べる方法

メールの送信元を調べる際は、主に「From」「Return-Path」「Received」の3つのフィールドを確認します。

以下は、実際のメールヘッダから関連する部分を抜粋したものです。メールアドレスやIPアドレス、ドメイン名などを説明用の値に置き換え、一部の情報を省略しています。

Return-Path: <customer@example.com>
Received: from mta-out2.example.net
    (mta-out2.example.net [192.0.2.10])
    by mx.google.com with ESMTPS
    for <recipient@example.org>;
    Mon, 12 Oct 2026 21:49:29 -0700 (PDT)

(途中省略)

From: Example Support <customer@example.com>
Reply-To: customer@example.com

まず、「From」を確認すると、差出人のメールアドレスが「customer@example.com」であることがわかります。

次に「Return-Path」を確認します。この例では、エラー通知先としてFromと同じメールアドレスが設定されています。

さらに「Received」を確認すると、「mta-out2.example.net」というサーバー(IPアドレス:192.0.2.10)から、Googleの受信サーバー「mx.google.com」にメールが配送されたことがわかります。

このように、FromやReturn-Pathから送信元として設定されたアドレスを確認し、Receivedから実際の配送に使用されたサーバーやIPアドレスを調べることができます。

メールの配送経路や遅延が発生した箇所を調べる方法

メールの配送経路や遅延が発生した箇所を調べる際は、「Received」を確認します。

Receivedには、メールを受信したサーバーや受信日時などが記録されています。メールが複数のサーバーを経由した場合は、受信したサーバーごとにReceivedが追加されます。新しい記録が上に追加されるため、下から上に読むことで配送経路をたどることができます。

以下は、実際のメールヘッダからReceivedを抜粋した例です。メールアドレスやIPアドレス、ドメイン名などを説明用の値に置き換え、一部の情報を省略しています。

Received: by 2001:db8::10 with SMTP id sample1;
    Mon, 12 Oct 2026 21:49:29 -0700 (PDT)

(途中省略)

Received: from mta-out2.example.net
    (mta-out2.example.net [192.0.2.10])
    by mx.google.com with ESMTPS id sample2
    for <recipient@example.org>;
    Mon, 12 Oct 2026 21:49:29 -0700 (PDT)

(途中省略)

Received: from unknown (unknown [127.0.0.6])
    by mta-out15.example.net with HTTP id sample3;
    Tue, 13 Oct 2026 04:49:26 +0000 (UTC)

一番下のReceivedから、メール配信システムのサーバー「mta-out15.example.net」が、2026年10月13日13時49分26秒(日本時間)にメッセージを受け付けたことがわかります。なお、ここに記載された「127.0.0.6」は内部通信に使用されるループバックアドレスであり、インターネット上の送信元IPアドレスではありません。

その上のReceivedでは、「mta-out2.example.net」からGoogleの受信サーバー「mx.google.com」にメールが配送されたことが確認できます。受信日時は同日13時49分29秒(日本時間)です。

さらに、一番上のReceivedには、同じ時刻に別のサーバーでメールが受信された記録が残っています。

なお、Receivedに記録される日時は、サーバーによってタイムゾーンが異なる場合があります。この例でも、UTC(協定世界時)とPDT(太平洋夏時間)が混在しているため、日本時間など同じタイムゾーンに換算して比較する必要があります。

この例では、一番下と一番上のReceivedに記録された日時の差は約3秒で、目立った遅延は確認できません。

メールの配送に時間がかかっている場合は、このようにReceivedの日時を古い順に比較し、大きな時間差がある箇所を調べることで、遅延が発生した可能性のある区間を絞り込めます。

ただし、Receivedにはすべての配送経路やサーバー内部の処理が記録されるわけではありません。また、サーバー間の時刻のずれによって時間差が生じる場合もあるため、正確な原因の特定にはメールサーバーのログなどによる追加調査が必要です。

なりすましメールの可能性を調べる方法

なりすましメールの可能性を調べる際は、「From」と「Authentication-Results」を確認します。

Fromには差出人として設定されたメールアドレスが記載されていますが、この情報は偽装される可能性があります。そのため、Authentication-Resultsに記録されたSPF・DKIM・DMARCの認証結果もあわせて確認することが重要です。

以下は、実際のメールヘッダから関連する部分を抜粋した例です。メールアドレスやIPアドレス、ドメイン名などを説明用の値に置き換え、一部の情報を省略しています。

Authentication-Results: mx.google.com;
    dkim=pass header.i=@example.com header.s=selector1;
    spf=pass (google.com: domain of customer@example.com
        designates 192.0.2.10 as permitted sender)
        smtp.mailfrom=customer@example.com;
    dmarc=pass (p=NONE sp=NONE dis=NONE)
        header.from=example.com

(途中省略)

From: Example Support <customer@example.com>

まず、Fromを確認すると、差出人のメールアドレスが「customer@example.com」であることがわかります。

次に、Authentication-Resultsを確認します。この例では、以下のように記録されています。

認証方式 認証結果 確認できること
SPF pass 送信元IPアドレス「192.0.2.10」が、SPFの認証対象ドメイン「example.com」で許可されている
DKIM pass メールに付与されたDKIM署名の検証に成功している
DMARC pass SPFまたはDKIMによる認証に成功し、Fromに記載されたドメインとの整合性も確認されている

この例では、SPF・DKIM・DMARCのすべてが「pass」となっており、送信ドメイン認証に成功していることがわかります。なお、DMARCの「p=NONE」は、認証に失敗したメールに対するポリシーが「none」に設定されていることを示します。

一方、認証結果に「fail」と記録されている場合は、認証に失敗していることを意味します。ただし、メールの転送や送信側の設定不備などが原因となる場合もあるため、認証失敗だけでなりすましメールと断定することはできません。

また、すべての認証に成功していても、メールの安全性が保証されるわけではありません。送信ドメイン認証の結果に加え、差出人のドメインやメール本文、リンク先なども確認し、総合的に判断することが重要です。

メールヘッダの解析に役立つツール

メールヘッダには多くの情報が記載されているため、手作業で配送経路や認証結果を読み解くのは難しいと感じることもあるでしょう。

そうした場合は、メールヘッダ解析ツールを活用するのも有効です。メールヘッダを貼り付けるだけで、配送経路や遅延が発生した可能性のある箇所、送信ドメイン認証の結果などを確認できます。

ここでは、代表的なメールヘッダ解析ツールを3つ紹介します。

ツール名 認証結果 配送経路 遅延時間 送信元IPアドレス ヘッダ項目の整理 ブラックリスト登録状況
Google Admin Toolbox Messageheader △ ○ ○ △ △ ×
MXToolbox ○ ○ ○ ○ ○ ○
Microsoft Message Header Analyzer ○ ○ ○ ○ ○ ×

※ ◯:対応 △:一部対応 ×:非対応

Google Admin Toolbox Messageheader

Googleが提供するメールヘッダ解析ツールで、メールが経由したサーバーや各サーバー間の遅延時間を表形式で表示します。配送に時間がかかった箇所を把握しやすく、メールの遅延原因を調査する際に役立ちます。

Google Admin Toolbox「Messageheader」https://toolbox.googleapps.com/apps/messageheader/analyzeheader?lang=ja

MxToolbox Email Header Analyzer

メールの配送経路や遅延時間に加え、SPF・DKIM・DMARCの認証結果やドメインの整合性を確認できるツールです。また、送信元や経由したサーバーのIPアドレスについて、ブラックリストへの掲載状況も確認できます。

MxToolbox「Email Header Analyzer」
https://mxtoolbox.com/EmailHeaders.aspx

Microsoft Message Header Analyzer

Microsoftが提供するメールヘッダ解析ツールです。配送経路やサーバー間の遅延時間を確認でき、メールが届くまでの経路や遅延原因を調査する際に役立ちます。また、メールヘッダの各項目を整理して表示し、SPF・DKIM・DMARCの認証結果や、送信元のIPアドレスなども確認できます。

Microsoft「Message Header Analyzer」
https://mha.azurewebsites.net

まとめ

本記事では、メールヘッダの確認方法や主な項目の意味、具体的な解析方法について解説しました。

メールヘッダには、差出人や宛先などの基本情報に加え、メールの配送経路や送信ドメイン認証の結果など、さまざまな情報が記録されています。各項目を正しく読み解くことで、送信元の調査や配送遅延の原因分析、なりすましメールの可能性の確認などに役立てることができます。

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