BLOG ベアメールブログ
2026.06.17 (水)
SPF Softfailとは? Hardfailとの違いや発生する原因、~allと-allの選び方を解説
最終更新日:2026.06.17
SPF認証の結果が「Softfail」となっていて、「問題がある状態なのか」「Hardfail(Fail)とは何が違うのか」と疑問に思ったことはないでしょうか。
SPF Softfailは、SPFレコードで許可されていないIPアドレスからメールが送信された際に返される認証結果の一つです。ただし、Hardfailとは異なり、直ちにメールを拒否すべきであることを意味するものではありません。Softfailは、送信元IPアドレスの登録漏れやメール転送、ドメインのなりすましなど、様々な原因によって発生します。
本記事では、SPF Softfailの意味やHardfailとの違い、発生する主な原因と対処法、SPFレコードの「~all」と「-all」の違いやそれぞれが適したケースについて紹介します。
目次
SPF Softfailとは
SPF Softfailは、SPF認証結果の一つです。まず、SPF Softfailの意味やSPFレコードの「~all」との関係、Hardfailとの違いについて理解しておきましょう。
SPF Softfailの意味
SPF Softfailは、メールの送信元IPアドレスがSPFレコードで許可されていないものの、ドメイン所有者がそのメールを強く拒否する意思までは示していない状態を意味します。
Softfailとなったメールは、必ずしも受信拒否されるわけではありません。受信サーバーは、DKIMやDMARCの認証結果、送信元IPアドレスやドメインのレピュテーションなども考慮しながら、メールを受信するか、迷惑メールとして扱うかを判断します。
SPF認証結果の確認方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
SPFレコードの「~all」との関係
SPF Softfailは、SPFレコードの末尾に「~all」が設定されており、レコードに登録されていない送信元からメールが送信された場合に返されます。
例えば、以下のようなSPFレコードが設定されている場合を考えてみましょう。
v=spf1 ip4:192.0.2.1 ~all
この例では、「192.0.2.1」からのメール送信を許可しています。「all」は、それまでに記載された条件に一致しないすべての送信元を意味し、「~」はそれらの送信元を明確には拒否しないことを表します。
そのため、「192.0.2.1」以外のIPアドレスからメールが送信されると、SPF認証結果はSoftfailとなります。
SPFレコードの書き方については、以下の記事で詳しく解説しています。
Hardfail(Fail)との違い
Hardfail(Fail)は、SPFレコードの末尾に「-all」が設定されている場合に返される認証結果です。Softfailと同様に、SPFレコードで許可されていないIPアドレスからメールが送信された場合に返されますが、ドメイン所有者がそのメールを許可しないことを明確に示している点が異なります。
SoftfailとHardfailの主な違いは、以下の通りです。
項目 Softfail Hardfail SPFレコードの末尾 ~all -all 意味 正規の送信元ではない可能性が高いが、強く拒否する意思は示していない 正規の送信元ではなく、許可しないことを明確に示している 表示される認証結果 Softfail Fail 受信側での扱い 他の認証結果やレピュテーションなども考慮して判断される より厳しく扱われる可能性がある
ただし、実際にメールを受信するかどうかは受信サーバー側の判断によって決まります。そのため、Hardfailとなったメールが必ず受信拒否されるわけではありません。
SPF Softfailが発生する主な原因と対処法
SPF Softfailが発生する原因は、設定ミスだけではありません。メール転送やドメインのなりすましなどが原因となる場合もあるため、まずは発生要因を正しく把握することが重要です。
本章では、SPF Softfailが発生する主な原因と対処法を解説します。
IPアドレスがSPFレコードに登録されていない
SPF Softfailが発生する原因として多いのが、実際にメールを送信しているIPアドレスがSPFレコードに登録されていないケースです。
例えば、新しいメール配信サービスを導入した場合は、そのサービスが案内するSPFレコード(include設定など)を追加する必要があります。この設定が漏れていると、正規のメールであってもSPF Softfailとなる可能性があります。
まずはメールを送信しているサービスやサーバーを確認し、利用している送信元がすべてSPFレコードに登録されているかを確認しましょう。設定漏れが見つかった場合は、サービス提供事業者の案内に従ってSPFレコードを修正してください。
転送によりIPアドレスが変更されている
メール転送によって、SPF Softfailが発生することもあります。
SPF認証では、メールを送信したサーバーのIPアドレスをもとに認証を行います。しかし、メールが転送されると、転送サーバーのIPアドレスからメールが再送信されるため、元の送信元ドメインのSPFレコードと一致しなくなる場合があります。
その結果、送信元ドメインのSPFレコードに問題がなくても、SPF Softfailとなることがあります。
転送によるSPF認証失敗の可能性を考慮して、DKIMを併用し、DMARCによって認証結果を評価できるようにしておくことが重要です。
DKIMとDMARCについては、以下の記事で詳しく解説しています。
なりすましメールが送信された
SPF Softfailは、第三者が自社ドメインになりすまして、SPFレコードに登録されていないIPアドレスからメールを送信した場合にも発生します。
この場合、SPF Softfailは設定ミスによるものではなく、SPFが正常に機能した結果です。自社が送信した正規のメールでない場合は、SPFレコードを修正する必要はありません。
ただし、Softfailは受信拒否を保証するものではないため、受信サーバーによってはメールが受信される可能性があります。なりすましメールへの対策を強化するためには、DKIMやDMARCもあわせて導入することが推奨されます。
SPFレコードは「~all」と「-all」どちらを設定すべき?
SPFレコードの末尾には、「~all」または「-all」を設定できます。どちらもSPFレコードに登録されていない送信元からメールが送信された場合の扱いを示すものですが、意味や用途が異なります。
ここでは、「~all」と「-all」の違いを整理したうえで、それぞれが適しているケースを解説します。
「~all」が適しているケース
「~all」は、SPFレコードに登録されていない送信元からメールが送信された場合に、SPF認証結果としてSoftfailを返す設定です。「正規の送信元ではない可能性が高いが、明確には拒否しない」という意思を示します。
送信元の洗い出しが完了していない場合や、正規メールの不達リスクを抑えたい場合には、「~all」が利用されることがあります。
送信元の洗い出しが完了していない
様々な部署からメールを送信しており、送信元のメールサービスやメールサーバーを把握しきれていない場合などには、「~all」が適しています。送信元の登録漏れがある状態で「-all」を設定すると、正規メールがFailとなり、受信側の判断によっては届かなくなる可能性があります。
送信環境の追加・変更が多い
メール配信サービスやMAツール、CRMなどの追加・変更が頻繁に発生する場合は、SPFレコードの管理が複雑になりがちです。送信元を把握できていても、設定変更時のSPFレコードの更新漏れによって認証に失敗するリスクを考慮して、「~all」で運用するケースがあります。
メールの転送が多い
前述したように、SPFはメール転送によって認証に失敗することがあります。転送が多い送信環境では、正規メールが意図せず迷惑メール扱いや受信拒否されるリスクを軽減するため、「~all」を選択する場合もあります。ただし、認証結果がSoftfailであっても、メールを最終的にどう扱うかの判断は受信側に依存するため、根本的な解決策にはならない点に注意が必要です。
メール不達の影響が大きい
ECサイトの注文確認メールや会員登録メール、パスワード再設定メールなど、メールが届かないことによる影響が大きい場合は、「~all」が適していることがあります。セキュリティと到達率のバランスを考慮しながら、自社の運用方針に合わせて設定を選択しましょう。
「-all」が適しているケース
「-all」は、SPFレコードに登録されていない送信元からメールが送信された場合に、SPF認証結果としてFailを返す設定です。SPFレコードに登録されていない送信元を許可しないことを明確に示します。
送信元を適切に管理できており、なりすまし対策をより強化したい場合は、「-all」の利用を検討するとよいでしょう。
すべての送信元を把握できている
利用しているメール配信サービスやメールサーバーを把握できており、SPFレコードへ適切に反映できている場合は、「-all」が適しています。
なりすまし対策の強化が求められる
SPFによるなりすまし対策をより強化したい場合は、「-all」が適しています。SPFレコードに登録されていない送信元からのメールを許可しないという意思を明確に示すことができます。
まとめ
本記事では、SPF Softfailの意味やHardfail(Fail)との違い、発生する主な原因と対処法、「~all」と「-all」の違いや適したケースについて解説しました。
SPF Softfailは、設定ミスだけでなく、メール転送やドメインのなりすましによって発生する場合もあります。原因を正しく把握したうえで、適切に対処することが重要です。
また、SPF認証に失敗したメールを最終的にどう扱うかの判断は受信側サーバーに依存するため、SPFだけではなりすましメールを完全に防ぐことはできません。DKIMやDMARCもあわせて導入し、適切に運用する必要があります。
ただし、SPFやDKIMの認証は受信側で行われるため、送信者自身が設定不備や認証失敗を把握するには、受信メールのヘッダ確認などが必要になり、対応に手間と時間がかかります。
ベアメールの「迷惑メールスコアリング」では、テストメールを送信するだけで、SPF・DKIM・DMARCの設定状況や認証結果を確認できます。問題のある送信元を把握し、送信環境を整えることが可能です。送信ドメイン認証の設定に不安がある場合は、ぜひご活用ください。
