メールリレーサービスを利用すると、メールの到達率向上や、大量メールの安定配信といった効果が期待できます。一方で、接続方法や配信環境、サポート体制、料金などが異なるため、どのサービスを選べばよいのか迷っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、メールリレーサービスの仕組みやメリットを簡単に解説したうえで、システムとの接続方法、比較する際のポイント、主要な6つのサービスの特徴を紹介します。

目次
メールリレーサービスとは
メールリレーサービスとは、送信者のシステムやメールサーバーからメールを受け取り、受信側のメールサーバーへの配信を代行するサービスです。到達率を改善したり、大量のメールを安定して配信したりする目的で利用されます。
ここでは、メールリレーサービスの仕組みと、メール配信サービスとの違いについて解説します。
SMTPリレーの詳しい仕組みについては、以下の記事で解説しています。
メールリレーサービスの仕組み
メールリレーサービスを利用する場合、自社のシステムやメールサーバーから送信されたメールは、まずサービス事業者が提供するリレーサーバーへ送信されます。その後、リレーサーバーがメールを中継し、受信側のメールサーバーへ配送します。

メール配信サービスとの違い
メールリレーサービスと混同されやすいものとして、メール配信サービスがあります。メールリレーサービスは、メールの到達率向上や大量配信といった目的で利用されます。一方、メール配信サービスは、メルマガなどの作成・配信・効果測定を効率化するための機能を備えています。
| 比較項目 | メールリレーサービス | メール配信サービス |
|---|---|---|
| 主な目的 | ・メールの到達率改善 ・大量メールの安定配信 |
・メールの作成 ・一斉配信 ・効果測定 |
| 主な機能 | ・SMTP・APIによるシステム連携 ・配信結果やメールログの可視化 |
・配信リストの管理 ・予約配信・ステップメール配信 ・HTMLメール作成 ・開封率測定 |
| 適した用途 | ・システムからの通知メール配信 ・大量配信 |
・メルマガの作成・配信・分析 |
それぞれ機能や役割が異なるため、自社の利用目的に合ったサービスを選ぶことが重要です。
メールリレーサービスを利用するメリット
メールリレーサービスを利用する主なメリットを紹介します。
メール到達率を高められる
メールリレーサービスでは、メール配信に特化した配信基盤や、適切に管理されたIPアドレスを利用してメールを送信できます。そのため、自社で配信環境を構築する場合と比べて、メールの到達率を高めやすくなります。
大量のメールを高速配信できる
メールリレーサービスは、大量配信に対応した配信基盤を備えています。複数のIPアドレスを使った分散配信などを行っているサービスもあり、大量のメールでも短時間で安定して配信できます。
配信後の分析・管理がしやすい
多くのサービスでは、配信結果やエラー、配信ログなどを管理画面から確認できます。不達の状況や原因を把握しやすくなり、原因の調査や改善などの対応を行いやすくなります。
メールサーバーの運用負荷を軽減できる
メールリレーサービスを利用すると、メールの配送を外部の配信基盤に任せることができます。自社でメールサーバーを構築・管理する負担を減らせるため、運用やメンテナンスにかかる工数の削減につながります。
メールリレーサービスへの接続方法
メールリレーサービスへの主な接続方法として、「API連携」と「SMTP接続」があります。それぞれの特徴を踏まえ、自社のシステム構成や開発・運用体制に合った方法を選びましょう。
API連携
API連携は、メールリレーサービスが提供するAPIを利用して、アプリケーションやシステムからメールの配信をリクエストする方法です。
プログラムからAPIへリクエストを送ることで、宛先や件名、本文などを指定してメールを送信できます。サービスによっては、配信結果やエラー、ログなどの情報をAPI経由で取得することも可能です。
システムに合わせてメール送信処理を細かく制御しやすく、アプリケーションにメール配信機能を組み込みたい場合などに適しています。一方で、API連携のための実装が必要になるため、導入時の開発工数を考慮する必要があります。
SMTP接続
SMTP接続は、自社のシステムやメールサーバーの送信先としてメールリレーサービスの配信サーバーを指定し、メールを中継する方法です。この仕組みは、SMTPリレーとも呼ばれます。
既存のシステムやメールサーバーのSMTP設定を変更することで利用できるサービスが多く、大きな改修をせずに導入しやすい点が特徴です。そのため、すでにシステムからメールを送信しており、現在の仕組みを活かしながら送信環境を改善したい場合に適しています。
利用する際は、対応しているポート番号やSMTP-AUTHの対応状況など、接続に必要な仕様を確認しておきましょう。
メールリレーサービスを比較する際のポイント
メールリレーサービスを選ぶ際は、機能や接続方法だけでなく、サポート体制やサービスの信頼性なども確認することが重要です。ここでは、技術面と信頼性・利便性の観点から、比較する際のポイントを紹介します。
技術的要件
まずは、自社のシステムや運用方法に合った配信環境を利用できるか確認しましょう。主なポイントは以下の通りです。
| 項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| 接続方法 | ・SMTP接続で利用するポート番号 ・SMTP-AUTHへの対応 ・APIの仕様・対応形式(JSON/XML) |
| エラー・ログの確認方法 | ・配信結果やログを確認できるまでの時間 ・取得できるログの内容 ・ログのCSVダウンロードの可否 ・APIでのログ取得の可否 |
| 共有IP/専用IP | ・共有IP/専用IPの提供状況 ・専用IP利用時にIPウォームアップが必要か ・IPレピュテーションの管理方法 |
| 送信ドメイン認証への対応 | ・SPFの設定方法 ・DKIMへの対応方法 ・自社ドメインでDKIM署名できるか ・エンベロープFromに自社ドメインを設定できるか |
接続方法
メールリレーサービスへの接続方法を確認しましょう。SMTP接続で利用するポート番号や、APIの仕様・対応形式(JSON/XML)などが自社に合っているかをチェックします。
エラー・ログの確認方法
メールの配信状況やエラー、ログがどのように確認できるかも重要なポイントです。確認できるまでの時間や取得できる情報の内容に加え、管理画面の見やすさやCSV ・APIによるログ取得の可否なども確認しましょう。
共有IP/専用IP
メール送信に利用するIPアドレスが、共有IPか専用IPかを確認します。専用IPを利用する場合は、IPウォームアップの必要性や、IPレピュテーションをどのように管理するかも確認しておくことが重要です。
送信ドメイン認証への対応
SPFやDKIMなどの送信ドメイン認証に対応しているか確認しましょう。あわせて、利用開始時に必要なDNS設定や、DKIMの署名方法、エンベロープFromに使用するドメインなども確認しておくとよいでしょう。
信頼性・利便性
サービスを選ぶ際は、機能だけでなく、信頼性や利便性も確認することが重要です。主なポイントは以下の通りです。
| 項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| サポート体制 | ・問い合わせ方法(メール/電話/Web会議など) ・オンボーディングの有無 ・導入後に受けられるサポートの内容 |
| サービスの信頼性 | ・導入実績や事例 ・監視体制 ・メンテナンスによる配信停止の有無 |
| セキュリティ | ・取得している第三者認証 ・二要素認証や通信の暗号化への対応 ・データの保存場所(国内/海外) ・セキュリティチェックシートへの対応 |
| 料金体系 | ・基本的な料金体系 ・オプションの費用 |
サポート体制
導入時や運用中に問題が発生した場合に、どのようなサポートを受けられるか確認します。メールや電話、Web会議などの問い合わせ方法に加え、オンボーディングの有無や、導入後に受けられるサポートの内容も比較することが重要です。
サービスの信頼性
安定してメールを配信するために、サービスの運用体制も確認しておきましょう。導入実績や事例、監視体制などに加え、メンテナンスによってメール配信が停止する時間があるかもチェックしておくと安心です。
セキュリティ
サービスが自社のセキュリティ要件を満たしているか確認します。第三者認証の取得状況や二要素認証、通信の暗号化への対応に加え、データの保存場所やセキュリティチェックシートへの対応可否なども確認しておくことが重要です。
料金体系
多くのメールリレーサービスは配信通数に応じた料金体系を採用していますが、定額制のサービスなどもあります。基本料金だけでなく、専用IPや追加機能などを利用する場合のオプション費用も含め、自社の利用状況に合った料金体系になっているかを確認しましょう。
【比較表あり】メールリレーサービス6選
主要な6つのメールリレーサービスについて、特徴や料金を比較します。自社の目的や運用体制に合うサービスを検討する際の参考にしてください。
| サービス | 主な特徴 | 料金 |
|---|---|---|
| ベアメール メールリレーサービス | 国内向けメールの到達率改善に強み。導入前から運用開始後まで、メール配信に関する手厚いサポートを受けられる。 | 初期費用50,000円 月額5,000円/1万通〜 |
| Amazon SES | AWSの各種サービスと連携しやすく、高いスケーラビリティを備える。大規模なメール配信にも対応しやすい従量課金型サービス。 | 従量課金制(0.16USD/1,000通〜) |
| SendGrid | トランザクションメールだけでなく、メール作成や効果測定などのマーケティング機能も利用可能。APIドキュメントやライブラリも充実している。 | 月額3,000円/5万通〜 |
| blastengine | 国内向けメールの配信に強みを持つ国産サービス。APIドキュメントやライブラリが用意されており、開発者向けのサポートも充実している。 | 月額3,000円/10,000通〜 |
| Customers Mail Cloud | 企業の要件に応じた専用の配信環境を利用可能。エラー解析などメールの配信状況を把握する機能も備える。 | 問い合わせ |
| Cuenote SR-S | 大規模なメールの高速配信に強み。詳細なエラー解析に対応し、国内データセンターでの運用や専任スタッフによるサポートも特徴。 | 初期費用50,000円 月額27,000円〜(配信通数に応じて変動) |
各サービスの技術的要件や信頼性・利便性については、こちらの資料で詳しく比較しています。サービス検討に役立つ比較表も掲載していますので、ぜひご活用ください。

ベアメール メールリレーサービス
ベアメール メールリレーサービスは、既存のシステムやクラウド環境から送信するメールの到達率改善を支援する国産のメールリレーサービスです。国内のデータセンターとIPアドレスを利用した配信基盤を備えており、特に国内向けメールの安定配信を重視する場合に適しています。
また、導入時の設定だけでなく、運用開始後のメール配信に関する相談にも対応しています。メールが届かない原因の調査や配信環境の改善についてサポートを受けながら運用したい企業にも向いています。

ベアメール メールリレー | 到達率を改善するSMTPリレーサービス
Amazon SES
Amazon SESは、AWSが提供するクラウド型のメール配信サービスです。AWSの各種サービスと組み合わせて利用しやすく、大量のメール配信にも対応できる高いスケーラビリティを備えています。AWS上でシステムを構築している企業や、配信量の増減に柔軟に対応したい場合に適しています。
また、送信状況やレピュテーションを確認するための機能も提供されており、配信状況を把握しながら運用することが可能です。
SendGrid
SendGridは、トランザクションメールの配信に加え、メール作成や開封・クリックの計測など、マーケティング用途の機能も備えたメール配信サービスです。システムからの通知メールとマーケティングメールを一つのサービスで運用したい場合に適しています。
また、APIドキュメントや各種ライブラリが用意されており、システムへの組み込みや開発を進めやすい点も特徴です。
blastengine
blastengineは、国内向けメールの配信に強みを持つメール配信サービスです。携帯キャリアやWebメールへの配信を重視しており、システムメールや通知メールを安定して届けたい場合に適しています。
また、APIドキュメントや各種ライブラリが用意されているため、システムへの組み込みを進めやすい点も特徴です。日本語でサポートを受けながら導入・運用を進めたい場合にも利用しやすいでしょう。
Customers Mail Cloud
Customers Mail Cloudは、企業の要件に応じて専用の配信環境を構築できるメール配信サービスです。大規模なメール配信や、セキュリティ・運用要件に合わせて配信環境を整えたい企業に適しています。
また、配信結果の確認やエラー解析などにも対応しており、メールの配信状況を詳しく把握しながら運用できる点も特徴です。
Cuenote SR-S
Cuenote SR-Sは、大規模なメールの高速配信に強みを持つメール配信サービスです。大量の通知メールや一斉配信など、短時間に多くのメールを安定して配信したい場合に適しています。
また、配信エラーを詳しく分析できる機能を備えているほか、専任スタッフによる導入前の相談や運用サポートも受けられます。配信性能だけでなく、安定した運用やサポート体制を重視する場合にも利用しやすいサービスです。
まとめ
本記事では、メールリレーサービスのメリットや比較する際のポイントについて解説し、主要な6つのサービスを紹介しました。
メールリレーサービスは、接続方法や配信環境、サポート体制、セキュリティ、料金などがサービスによって異なります。自社のシステム構成や配信規模、運用体制などを踏まえ、目的に合ったサービスを選ぶことが重要です。
ベアメール メールリレーサービスは、国内向けメールの到達率改善に強みを持つサービスで、既存のメール送信環境を大きく変えずに導入できます。メール配信の運用負荷を抑えながら、安定した配信環境を整えたい方は、ぜひご検討ください。
記事を探す
- 2026年06月
- 2026年05月
- 2026年04月
- 2026年03月
- 2026年01月
- 2025年12月
- 2025年11月
- 2025年10月
- 2025年09月
- 2025年08月
- 2025年07月
- 2025年06月
- 2025年05月
- 2025年04月
- 2025年03月
- 2025年02月
- 2025年01月
- 2024年12月
- 2024年11月
- 2024年10月
- 2024年09月
- 2024年08月
- 2024年07月
- 2024年06月
- 2024年05月
- 2024年03月
- 2024年02月
- 2024年01月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年09月
- 2023年06月
- 2023年05月
- 2023年01月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年09月
- 2022年08月
- 2022年07月
- 2022年06月
- 2022年05月
- 2022年04月
- 2022年03月
- 2022年01月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年09月
- 2021年08月
- 2021年07月
- 2021年06月
- 2021年05月
- 2021年04月
- 2021年03月
- 2021年02月
- 2021年01月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年09月
- 2020年08月
- 2020年06月
- 2020年05月
- 2020年04月
- 2020年02月
- 2020年01月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年09月
- 2019年08月
- 2019年07月
- 2019年06月
- 2019年05月
- 2019年02月
タグ一覧
- 用語解説 (66)
- HowToガイド (56)
- トラブルシューティング (34)
- メール到達率 (29)
- DMARC (21)
- SMTP (18)
- プロに学ぶ (14)
- Techブログ (13)
- メルマガ (13)
- 迷惑メール/スパム (13)
- DNS設定 (12)
- SPF (12)
- メールサーバー (12)
- メールリレー (11)
- DKIM (10)
- ツール・サービス比較 (9)
- BIMI (8)
- Gmail (8)
- IPレピュテーション (6)
- Postfix (6)
- メールエラー/バウンス (6)
- メールヘッダ (6)
- メール開封率 (6)
- ブラックリスト (3)
- メール配信サービス (3)
- API (2)
- ARC (2)
- Exchange Online (2)
- Outlook (2)
- RFC (2)
- iCloud (1)
- メールマーケティング (1)
- 調査 (1)
