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メールサイズとは? 送信前にメールサイズを確認する方法、超過する場合の対策を解説

メールサイズとは、メール全体のデータ量のことで、本文・HTML・画像・添付ファイル・ヘッダーなどを含めた合計サイズを指します。メールサイズが大きいと、配信速度が遅くなったり、迷惑メールと判定されてしまうリスクがあります。さらに、メールサービスプロバイダごとに許容サイズが異なるため、送受信時に注意が必要です。

この記事では、メールサイズの定義、送信や迷惑メール判定への影響、主要プロバイダの容量制限、そしてメールサイズを抑える具体的な対策を解説します。

メールサイズとは

メールサイズとは、メール全体のデータ量を指します。これには以下の4つの要素が含まれます。

  • 本文:プレーンテキストやHTML形式の内容
  • 添付ファイル:画像、PDF、ドキュメントなど
  • スタイルシート:HTMLメールのCSS
  • ヘッダー:送信者、受信者、件名などのメタデータ

注意すべきは、メール送信時に添付ファイルがBase64エンコーディングされるため、メールサイズが約1.3〜1.5倍に膨らむ点です。例えば、送信メールのサイズ上限が25MBに設定されているGmailでは、実際に添付できるファイルのサイズは約17〜19MB程度になります。

主要メールサービスの送信・受信サイズ上限一覧(Gmail、Outlook、iCloudなど)

主要なメールサービスプロバイダのメールサイズの上限をまとめると以下の通りです。

なお、送信時と受信時でサイズ上限が異なるサービスも多いため、メール送信前に確認しておきましょう。

日本の携帯キャリア(docomo、au、SoftBank)はサイズ制限が厳しいため、特に注意が必要です。

メールサービス送信サイズ上限受信サイズ上限備考
Gmail25MB (添付ファイルの合計サイズ)50MB (メール全体のサイズ)送信時に25MBを超えるファイルは添付されず、自動的にGoogleドライブのリンクがメール内に追加される。
Outlook (添付ファイルの合計サイズ)20MB20MB
iCloud Mail20MB50MBMail Dropを使えば最大5GBまで送信可能。
docomo (メール全体のサイズ)約10MB約10MB
au (メール全体のサイズ)約3MB約1MB
SoftBank (メール全体のサイズ)約2MB約2MB

メールサイズ上限は変更できる?

GmailやOutlook.comなどのクラウド型のメールサービスでは、ユーザ側でサイズ上限を変更することはできません。

一方で、Postfix、Exchangeなどのメールサーバを自社運用している場合は、message_size_limit などのパラメータで上限サイズを任意に調整することが可能です。

例えば、Postfixでは message_size_limit をバイト単位で設定し、10,000,000バイト(約10MB)や 10,485,760バイト(10MiB)といった値が一般的です。この制限は、Base64エンコード後のメール全体サイズに適用され、添付ファイル・本文・ヘッダーなどすべてを含んだ総量が対象になります。

ただし、制限を緩くしすぎると、サーバーの処理負荷増加や通信の不安定化を招く可能性があるため、リソース保護の観点からも適切な上限値を設定することが推奨されます。

また、送信側で上限を緩和しても、相手先の受信サーバーにも独自のサイズ制限がある点には注意が必要です。

メールサイズが大きすぎるとどうなる?

メールサイズがサービスが設ける容量制限を超える場合、次のような影響があります。

メールサイズの制限を超過した場合

メールサービスによって、送信可能なメールサイズの制限や、制限を超過した場合の動作は大きく異なります。これは、各サービスの設計思想や想定されるユーザ層、サーバー処理能力、セキュリティ対策方針などに基づいており、一律ではありません。

たとえば、GmailやiCloud Mailなどのクラウド型サービスでは、サイズ制限を超えた添付ファイルを自動的にクラウドにアップロードし、リンクを送信する方式を採用しています。これにより、ユーザはファイルサイズを気にせずにメールを送れる利便性が確保されています。

一方で、docomoやau、SoftBankといった携帯キャリアのメールでは、依然として数MB程度の厳しい上限が設けられており、添付ファイル付きのメール送信が困難な場合もあります。

以下に、主要なメールサービスごとの送信時にメールサイズが超過した場合の挙動をまとめます。

サービス名超過時の挙動備考
GmailGoogleドライブに自動アップロード他社サービス宛もリンク送信可
Outlook.com送信不可
iCloud MailMail Dropに自動切り替え、最大5GBまでiPhoneではデフォルトで有効になっているが、macでは利用前に手動で有効化が必要。Mail Dropのリンクは30日間有効。
Microsoft 365送信不可
docomo送信不可
au送信不可古い端末でさらに制限あり
SoftBank送信不可一部アプリで回避可能な場合あり

これらを把握せずにファイルを添付すると、メールが届かないトラブルにつながります。送信前には、相手が使っているメールサービスの制限を確認し、必要に応じてクラウドストレージや圧縮などの代替手段を活用しましょう。

送信に失敗したり遅れることがある 

サイズが大きすぎるメールは、送信時にサーバー側でのエンコードや転送処理に時間がかかり、ネットワークやサーバーに余計な負荷を与えます。その結果、送信の遅延や、接続タイムアウトによる送信失敗が発生する可能性があります。

また、受信側でもファイルサイズに応じたスキャンや保存処理が必要になるため、配信完了までに時間がかかるケースもあります。特にモバイル環境では、通信速度の影響でダウンロードに時間がかかるため注意が必要です。

ユーザ体験が悪化する

サイズの大きなメールは、モバイル回線や通信環境の悪い場所では読み込みに時間がかかり、レイアウトの乱れやコンテンツの表示遅延が発生することがあります。特に画像や動画を多用したHTMLメールでは、描画に時間がかかるため、ユーザが本文に到達する前に離脱してしまうリスクが高まります。

こうした閲覧時のストレスは、ユーザに「読みにくい」「重い」という印象を与え、メールを途中で閉じられてしまう原因になります。さらに、「この企業のメールはいつも重い」という印象が定着すると、開封率の低下にもつながりかねません。

そのため、モバイル閲覧を前提とした軽量で見やすいメール設計が、ユーザ体験を損なわないために重要です。

迷惑メールと判定されるリスクも

大容量のメールは、スパムフィルターによって「不自然な通信」と判定されやすく、迷惑メールとして扱われるリスクがあります。  特に、装飾の多いHTMLメールや画像が主体のメールは、本文が少なく実体が不明瞭なため、スパム判定ルールに引っかかりやすくなります。 

実際に迷惑メールと判定されると、相手の受信ボックスに届かず、迷惑フォルダに振り分けられたり、最悪の場合はブロックされてしまうこともあります。そのため、送信するメールのサイズだけでなく、構成や内容にも注意を払う必要があります。

メールサイズを確認する方法

それでは、送信前にメールサイズを確認するにはどのようにすれば良いのでしょうか。

実は、メール全体のサイズ(エンコード後の実サイズ)を送信前に正確に把握することは、一般的にはできません。これは、添付ファイルなどがエンコードされる処理が送信直前に行われるためです。

GmailやOutlook、ThunderbirdやApple Mailなどの主要なメールソフトにおいても、作成中のメールサイズをリアルタイムに表示する機能は備わっていません。ただし、添付したファイルの元サイズ(エンコード前のサイズ)は、その場で確認することができます。

この表示されたファイルサイズをもとに、送信時のサイズをおおまかに見積もることは可能です。添付ファイルはエンコード時に約1.3〜1.5倍に膨らむため、表示されたファイルサイズにその程度の増加を見込むと、実際の送信サイズをおおよそ把握することができます。

モバイル端末での確認方法

キャリアメール(docomo、au、SoftBankなど)の場合、標準のメールアプリではメールサイズを明示的に確認する手段はほとんどありません。 docomo宛であれば10MB、au宛は1MB、SoftBank宛は2MB以内に抑えることが推奨されているので、その制限を超えないように添付ファイルのサイズを確認するようにしましょう。

画像や動画を送る場合は、事前にギャラリーアプリなどでファイルサイズを確認したり、アプリ内の「画像を縮小して添付」機能を利用することで、送信エラーを回避しやすくなります。

メールサイズを抑える3つの対策

メールサイズを抑えるための対策として、以下の3つがあります。

添付ファイルを圧縮する(ZIPなど)

添付ファイルのサイズが大きい場合は、Zip形式などで圧縮することでメールサイズを削減できます。特に画像や文書ファイルは圧縮効果が高く、ファイルによっては数十%のサイズ削減が期待できます。ただし、スマートフォンや一部の端末では圧縮ファイルの解凍に対応していない場合もあるため、相手の閲覧環境に配慮が必要です。

また、パスワード付きZipファイルを別メールで送信する「PPAP方式」は、現在ではセキュリティリスクが指摘されており、企業によっては受信をブロックしているケースもあります。その場合は、次に紹介するファイル転送サービスやクラウドストレージの利用を検討してください。

ファイル転送サービスを活用する 

GigaFile便やfirestorageといったファイル転送サービスは、大容量ファイルを一時的に送信したいときに便利な手段です。利用方法はシンプルで、ファイルをサービスにアップロードし、発行されたダウンロードURLをメールに記載するだけで完了します。受信者はそのURLからファイルをダウンロードできるため、メール自体は非常に軽量に保たれます。

多くのサービスは無料で利用可能ですが、無料版では広告が表示されたり、ファイルへのアクセス制御や暗号化といったセキュリティ機能が十分でないことがあります。そのためビジネス用途での使用を想定する場合は、法人向けの有料プランを検討することで、より高い信頼性と安全性を確保できます。

クラウドストレージにアップロードし、リンクを共有する

Googleドライブ、OneDrive、Dropboxなどのクラウドストレージサービスも、メールサイズを抑える手段として広く使われています。ファイル転送サービスと同様に、URLを共有するだけで済むため、添付ファイルの容量制限を回避でき、配信遅延や拒否のリスクも軽減されます。

クラウドストレージは、一時的なファイル送信にとどまらず、長期的な保存やバージョン管理、共同編集、アクセス権限の細かな設定が可能です。また、リンクに有効期限やパスワードを設定することで、セキュリティ性を高めた共有も実現できます。業務で頻繁にファイルのやり取りを行う場合には、クラウドストレージの方がより柔軟で継続的な運用に適していると言えるでしょう。

まとめ

メールサイズとは、添付ファイルだけでなく、本文やHTML、ヘッダー情報などを含めたメール全体の容量です。プロバイダごとに上限が異なり、サイズ超過は配信エラーや迷惑メール判定の原因となります。特に日本のモバイルキャリアは制限が厳しいため注意が必要です。

ベアメールの迷惑メールスコアリングでは、現在利用されている主要なメールサービスに対しテストメールを配信し、通常では知ることが難しい「メールボックスまで届いているか」までチェックし、到達度を判定します。現時点でdocomo・au・Softbank・Gmail・Yahoo!・iCloud・Outlookに対応しています。

もし、メールが届かないとお困りの方は一度デモ診断を受けてみてはいかがでしょうか。

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