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2025.11.06 (木)
メルマガが届かない! 到達率が下がる原因と改善方法を詳しく解説
Last Updated on 2025.11.14
メルマガは、顧客との関係構築や商品・サービスの情報発信に欠かせないマーケティングツールです。しかし、「開封率が伸び悩んでいる」「お客様からメールが届いていないと言われた」などの課題を感じている方も多いのではないでしょうか。
メルマガが届かないという事象には、様々な要因が考えられます。本記事では、よくある原因を3つの視点から整理し、それぞれの具体的な解決策をわかりやすく解説します。 原因を正しく理解し、一つずつ着実に対策を講じることで、メルマガの到達率を高め、成果の最大化につなげることができます。
目次
メルマガが届かない!考えられる3つの原因
メルマガが届かない原因は、大きく「コンテンツや配信方法の問題」「配信システムやネットワークの問題」「受信者側の設定や環境の問題」の3つに分けられます。自社のケースがどれに当てはまるのかを把握し、原因を特定することが解決への第一歩です。
コンテンツや配信方法の問題
メルマガの内容や配信方法が、スパム判定やブロックの原因となることがあります。まずは、「どんなメールを、どんなリストに、どのように送っているか」を整理し、課題を明確にしましょう。
スパムワードを含む件名・本文
「今すぐ」「無料」「限定」「緊急」など、過度な訴求語句を含むメールは、スパムフィルターに検知されやすい傾向があります。また、リンクや画像を過剰に使用している場合も、迷惑メール判定されるリスクが高まります。
本文内URL・メールアドレスのブラックリスト登録、短縮URLの使用
メール本文内に掲載しているURLやメールアドレスのドメインがブラックリストに登録されていると、迷惑メール判定されるリスクが高まります。また、短縮URLを使用しているだけでも迷惑メール判定されやすい傾向があります。
HTMLフォーマットの不備/サイズが大きすぎるファイルの添付
HTMLタグの閉じ忘れや構文エラーがあると、一部のメールサーバーで「不正な形式」と判断されることがあります。また、大容量の添付ファイル(数MB以上)を含むメールは、受信サーバーによって拒否される場合があります。
配信停止(ワンクリック登録解除)の設定漏れ
ユーザが不要と感じたメールを、簡単に購読解除できる「ワンクリック登録解除」が設定されていない場合、迷惑メール判定を受けるリスクが高まります。2024年2月以降、Gmailでは1日5,000通以上を配信する送信者に対して、この設定が義務化されました。未対応のままだと、Gmailを中心にメールが届きにくくなる可能性があります。
詳しくはこちら:
ワンクリック登録解除とは?Gmailガイドラインへの対応方法|ベアメールブログ
不適切な配信頻度・内容
主要キャリアでは、ユーザが簡単に迷惑メールを報告できる「迷惑メール報告機能」の仕組みが導入されています。配信頻度が高すぎたり、読者が求めていない内容を繰り返し配信したりすると、迷惑メール報告が増加し、結果として到達率の低下につながることがあります。
存在しないアドレスへの配信
古いアドレスや入力ミスによる無効なアドレスが配信リストに含まれていると、送信時にエラー(バウンス)が発生します。高いバウンス率は送信元の信頼性を示すスコアであるレピュテーションの低下につながり、他の宛先への配信にも悪影響を及ぼす可能性があります。
短期間での大量配信
主要キャリアでは、一定期間に受信するメールの量を制限する仕組み(レート制限)が存在します。短期間に大量のメールを送信すると、遅延や受信拒否が発生する可能性があるため、注意が必要です。
配信システムやネットワークの問題
メールの内容や配信方法に問題がなくても、配信システムやネットワークなどの技術的な要因によって、メールが届かなくなることがあります。
送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)の設定不備・失敗
送信ドメイン認証は、メールが正規の送信元から送られたものであることを検証し、なりすましを防ぐための仕組みです。この設定がされていなかったり、認証が失敗したりすると、なりすましメールと誤判定され、ブロックや迷惑メール振り分けのリスクが高まります。
メール送信元の信頼性(レピュテーション)低下
高いバウンス率、スパム報告の多発、過剰な配信頻度などにより、送信元のIPアドレスやドメインが「スパムメールを送信している」とみなされることがあります。このような状態になると、信頼性(レピュテーション)が低下し、正常なメールであっても受信トレイに届きにくくなります。
詳しくはこちら:
IPレピュテーションとドメインレピュテーションとは?レピュテーション向上のポイントを解説|ベアメールブログ
送信元IPアドレスのブラックリスト登録
レピュテーションが著しく低下すると、スパマーとしてブラックリストに登録されるリスクが生じます。特に「Spamhaus」などの主要なブラックリストに登録された場合、その情報は世界中のメールサービスにリアルタイムで共有されるため、メールがほとんど届かなくなるケースもあります。
送信サーバーの一時的な停止・エラー
メール配信システムが一時的に停止している、送信キュー(送信待ちリスト)が溜まっているなどの場合、送信が遅延したり失敗したりすることがあります。特定の時間帯だけメールが届かない場合や、エラーが断続的に発生する場合は、こうした一時的なサーバー要因が関係している可能性が考えられます。
SMTPリレーや中継サーバーの設定不備
メールを中継するサーバー(SMTPリレー)の設定に不備があると、途中でブロックされたり、受信側に拒否されたりすることがあります。特に、新しい配信環境に切り替えた直後やサーバー設定を変更した際は、トラブルが発生しやすいため注意が必要です。
受信側の設定や環境の問題
自社で正しく送信できていても、受信側の設定や環境が原因でメールが届かないケースもあります。特に企業や官公庁などでは、セキュリティポリシーが厳しく、意図せずブロックされることも少なくありません。
受信拒否設定
受信側が自社のドメインや特定のアドレスを受信拒否している場合、メールは自動的にブロックされます。企業によっては、外部ドメインや特定の国・地域からのメールを一括で拒否しているケースも考えられます。このような設定が行われていると、自社では正常に送信されていても、相手側の受信トレイには届かない状態になります。
メールボックスの容量オーバー
受信者のメールボックス容量が上限に達していると、新しいメールはエラーとして返されます。特定の宛先だけエラーが発生している場合、容量オーバーが原因の可能性があります。このケースでは、受信者が古いメールを削除するなどして容量を確保しない限り、受信が再開されません。
メルマガが届かない原因を特定する方法|バウンスメールを確認しよう
メルマガが届かなかった場合、多くは送信元に「バウンスメール(エラーメール)」が返されます。このメールには、配信ステータスやエラー内容、宛先情報、送信日時などが記載されており、不達の原因を特定するための重要な手がかりとなります。
エラーコードの構成要素|SMTPステータスコードとエラーメッセージ
バウンスメールには、ほとんどの場合「3桁の数字(SMTPステータスコード)+英文のメッセージ(エラーメッセージ)」で構成されるエラーコードが記載されています。
代表的な形式は「550 5.1.1 User unknown」のようなもので、以下の要素から成り立っています。
要素 名称 意味 550 SMTPステータスコード 配信処理の結果を示す3桁のコード 5.1.1 拡張ステータスコード エラーの詳細な分類 User unknown エラーメッセージ 受信サーバーによる自由記述のメッセージ
SMTPステータスコードの種類と意味
SMTPステータスコードは、先頭の数字によって意味が異なります。
- 「4XX」:一時的なエラー(ソフトバウンス)。サーバーが一定期間リトライを行うため、バウンスメールとしては通常返送されません
- 「5XX」:恒久的なエラー(ハードバウンス)。再送しても配信されないため、原因を確認した上で対応が必要です
以下に、代表的な「5」から始まるSMTPステータスコードの一部を示します。
SMTPステータスコード 意味 550 宛先のメールボックスが存在しない、もしくはメールボックスが利用できないため、要求された処理は実行できない 551 受信者が存在しないため、[forward-path]で示されたアドレスへの転送を試す必要あり 552 相手のメールボックスの容量超過のため、要求された処理が実行できない
詳しくはこちら:
メールのエラーコード(SMTPステータスコード)の意味と対策|ベアメールブログ
エラーメッセージの種類と意味
エラーメッセージには様々な種類がありますが、大きく以下のカテゴリに分類されます。
エラーメッセージのカテゴリ 主な意味 Local policy 送信者の信頼性・ポリシー違反による拒否 Size exceed メールサイズ・添付ファイル関連のエラー User unknown 宛先関連のエラー Host unknown ドメイン関連のエラー The sender is unauthenticated 送信ドメイン・認証関連のエラー Your IP is listed in Spamhaus ブラックリスト関連のエラー Server busy 一時的なシステム・接続エラー Over quota メールボックスの容量オーバー
詳しくはこちら:
【エラーメッセージ別】メールエラーの原因と対策|ベアメールブログ
バウンスメールの確認方法
多くのメール配信システムには、エラーを自動で集計・分析する機能が備わっています。まずは管理画面で、どの宛先でどのようなエラーが発生しているかを確認しましょう。
Gmailなど一般的なメールソフトを使用している場合は、バウンスメールが直接受信トレイに届くか、迷惑メールフォルダに振り分けられることがあります。迷惑メールフォルダ内を確認する際は、検索バーに「in:spam」と入力すると一覧表示できます。
メルマガの到達率を上げる改善策
原因が特定できたら、具体的な対策に移りましょう。メルマガの到達率を改善するために、取り組むべき施策をご紹介します。
内容・フォーマット・配信頻度を見直す
迷惑メール判定を避けるためには、シンプルでわかりやすい内容と適切な配信設計が大切です。件名や本文は過度な訴求を避け、必要な情報を簡潔にまとめましょう。HTMLメールの場合は、構文エラーを防ぐために配信前のテスト送信を行うと安心です。
また、読者が不要と感じた際にすぐ配信を停止できるよう、ワンクリック解除リンクを設置しておくことも重要です。Gmailなど主要プロバイダのガイドラインでも推奨されています。
さらに、配信頻度にも注意しましょう。リンクが2023年10月に全国の15〜60歳の男女1200人を対象に行った調査(※1)では、企業や店舗からメッセージを受け取っても良い頻度として、「週に1回程度」が最も多い回答となりました。この結果からも、過剰な配信は避け、読者にとって適切な頻度を見極めることが重要だと言えます。

※1:ベアメール「プレスリリース:【メールに関する意識調査 第二弾】約4割の受信者が「迷惑メール報告手続き」を実施すると回答。受信者の意向に沿ったメール配信を行うためのポイントとは」
https://baremail.jp/news/release_20231225.php
リストを定期的にクリーニングする
配信リストの品質は、メルマガの到達率に大きな影響を及ぼします。存在しないメールアドレスや、長期間開封していない読者のアドレスが多く含まれていると、バウンス率が上昇し、送信ドメインのレピュテーション(信頼性)が低下する原因になります。
無効なアドレスは都度削除し、半年に一度など定期的にリストクリーニングを実施しましょう。これにより、無駄な配信コストを削減し、エンゲージメントの高い読者層へのアプローチに集中することができます。
また、会員登録時点で誤入力などにより無効なアドレスが登録されることを防ぐには、ダブルオプトインの導入も有効です。
詳しくはこちら:
メールのリストクリーニングとは?具体的な実施方法、宛先リストの品質を保つポイントを解説|ベアメールブログ
【メールアドレスの存在確認方法】安全に検証できるおすすめツールも紹介|ベアメールブログ
IPウォームアップを行う
IPウォームアップとは、新しい送信環境やIPアドレスを使用する際に、少しずつ送信量を増やしていくことで、送信元としての信頼性(レピュテーション)を高める施策です。
新しいIPから突然大量のメールを配信すると、受信サーバーがスパム送信と誤解し、ブロックや迷惑メール判定を受けるリスクが高まります。そのため、1〜数ヶ月のスパンで配信数を段階的に増やしていくことが推奨されます。
詳しくはこちら:
IPウォームアップとは?IPレピュテーションを向上させるためのポイントと具体的な手順
送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)の設定を確認する
メールが正規の送信元から送られたものであるかを検証する仕組みを「送信ドメイン認証」と言います。主にSPF・DKIM・DMARCの3つの技術が使われ、それぞれ次のような役割を担っています。
認証方式 役割 SPF (Sender Policy Framework) 送信元のIPアドレスが、そのドメインからメールを送ることを許可された正規のサーバーであるかを検証します DKIM (DomainKeys Identified Mail) メールに電子署名を付与し、配送途中で内容が改ざんされていないかを検証します DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance) SPFとDKIMの認証結果に基づいて、なりすましを検証し、認証失敗したメールの扱い(拒否、隔離など)を決定します
これらの設定が正しく行われていない場合、受信側サーバーで「なりすましメール」と誤判定され、迷惑メールフォルダへの振り分けやブロックの原因になります。
設定の有無を簡単に確認するには、MxToolboxなどの無料チェックツールを利用するのが便利です。ドメイン名(例:example.com)を入力するだけで、SPF・DKIM・DMARCが設定されているか、正しく記述されているかを確認できます。
参考:MxToolbox
https://mxtoolbox.com/
ブラックリスト登録されていないか確認する
メールの到達率が急に低下した場合、送信元のIPアドレスやドメイン、本文内URLがブラックリストに登録されている可能性があります。
Spamhausなどのチェックサイトを利用すると、ブラックリストに登録されているかどうかを確認できます。もし登録されていた場合は、リストの運営元に解除申請を行いましょう。
参考:Spamhaus
https://check.spamhaus.org/
受信者に設定の確認を依頼する
特定の読者にのみメルマガが届かない場合、受信側の設定や環境が原因となっている可能性があります。受信拒否設定や迷惑メールフィルターによってブロックされている、またはメールボックスの容量オーバーで新しいメールを受信できないといったケースが考えられます。
その際は、受信者に以下の対応を依頼しましょう。
- 送信元のメールアドレスやドメインを「セーフリスト(受信許可リスト)」に追加してもらう
- 受信ボックスの容量を確認し、不要なメールを削除してもらう
WebサイトのFAQページなどに、主要メールサービス別の設定方法を図解付きで掲載しておくと、問い合わせ対応の負担を軽減できます。
それでも改善しない場合の対処法|「迷惑メールスコアリング」で課題を可視化・解決
上記の施策を試しても解決しない場合は、専門ツールの利用を検討するのも一つの方法です。
ベアメールの「迷惑メールスコアリング」では、テストメールを送信するだけで、迷惑メール判定される可能性がスコア化され、問題点が一目でわかります。さらに、改善の具体的なアドバイスも受けることができます。

初回は無料でデモ診断も可能です。「メルマガが届かない」「迷惑メール扱いになっているかもしれない」とお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。
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まとめ|原因を特定し、確実な対策でメルマガを届けよう
メルマガが届かない原因は、コンテンツや配信方法の問題から、配信システムやネットワークの問題、受信側の設定や環境の問題まで、様々です。
まずはエラーの内容を確認し、自社がどのケースに当てはまるのかを正確に把握することが大切です。その上で、原因に応じた対策を着実に実行し、到達率改善につなげていきましょう。
本記事が、皆様のメールマーケティング活動を成功に導く一助となれば幸いです。
